内容説明
日本産業銀行の江草は北京支店に赴任した。国策銀行への出資交渉が任務だったが、中国ファンドによる産銀株買い占めの動きもあり、やがて衝撃の「マルコ・ポーロ計画」が発動される・・・。国際化を目論む中国・人民元が目指す野望とは? 中国ビジネスの第一人者が描く、国際派経済小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まつうら
50
中国の人民元が、ドルに代わって国際基軸通貨の覇権を狙うという野望を描くと同時に、主人公の江草が唱える「日中が協力すれば世界最強」を描く。この二つの考え方は相容れないんじゃないかと思いつつ読み進めると、最後にきてようやくその仕組みが見えてくる。国際的な信用を得るようにしないと、覇権主義的な人民元はかつての帝国主義と同様に反感を招くだけ。だからまず、GDP2位と3位の日中が協力することで、1位のアメリカの関心を引き付けましょう、というもの。まあ理屈はわかるけど、日中双方の国民感情としてはどうなのだろう???2023/04/29
紫夏
6
★5。経済理論が難しくて理解できず。登場人物をメモしながら読むべきだった。円と元の統合や、尖閣諸島問題について勉強になった。ポツダム宣言まで出てくるとは・・・。理想がとても崇高なのと、窮地からの逆転勝利(池井戸展開)で、後半はほぼ一気読みしてしまった。2015/01/14
紫の煙
3
経済小説であっても、中国を扱う限り尖閣問題は避けられない。中国は武力だけでなく、貨幣経済でも覇を唱える。この小説のような深謀遠慮に日本は立ち向かえるのか。主人公たちの活躍は心地よいが、現状のわが国では理解を得られにくい、中国寄りともとられる内容。 2014/03/08
紫夏
2
登場人物の関係がよくわからなかったので、また読んでしまった。最後の演説が痛快。2015/01/18
逃げるが勝ち!!
2
人民元はちょっと取っ付きにくかった。エンタメというよりは勉強のためと、意識して読んだからなも。ストーリーはなるほどそういうことですか…というレベル。それより、もっと隣国のことを勉強せねば!と真剣に考えさせる一冊でした。2014/03/25