内容説明
2013年7月に百一歳を迎える、私立灘校の学力日本一の基礎を作った伝説の国語教師が、学ぶ楽しさ、生きる喜びを伝える本である。著者が50年間教鞭をとっていた灘校は、橋本式の独特な国語の授業を受けた生徒たちが、昭和43年に初めて東大合格者数1位となり、全国的に注目された。その折には、マスコミ等から様々な誤解を受け、詰め込み教育をしているなどの根拠のない噂が流れ、哀しい思いもしたが、生徒たちには楽しい勉強法を工夫し続けた。大学入試という難関を潜り抜けるには、学問の基礎力が必要である。その基礎は国語力を身につけることで初めて可能となる。国語は簡単に成果が出る教科ではないが、受身ではなく能動的に取り組み体験を伴うことで好きになっていくと、いつのまにか基礎力が身に付き、人生を切り拓く大きな力となる。百歳を超えたからこそ見つけた「学問のすすめ」は生きる喜びを享受する「橋本流生き方のすすめ」の指南書である。
目次
第1部 国語力はすべての学問の基本(国語教師としての原点は 徹底的に調べる 記憶に残らない授業 楽しいことは忘れない ほか)
第2部 百歳でわかった人生の喜びと学ぶ大切さ(趣味は人生の「横道」です 見ているだけでは楽しくない いろいろな横道を知っていると 「もう歳だから」とあきらめる必要はありません ほか)
第3部 教養と伝統文化を楽しむ―いろは歌留多上方・中京・江戸(解説―「いろは歌留多」に見る庶民的教育法 橋本式いろは歌留多)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とある内科医
34
図書館より。医師という仕事は、教えることから逃れられないため、時々教育の棚を見に行く。著者のことは以前から存じ上げており、『銀の匙』も積んだまま。本書は授業に込めた思いや情熱が他書に比して詳らかにされており…とにかく感動の一言。積んでいる中勘助も読まねば。2022/12/04
ぼりちゃん
24
橋本先生のエッセイみたいな本でサラッと読めた。国語力、特に読解力はすべての学力の基礎となる という考えの元に、独自の国語教育を志し続けた橋本先生。戦後の黒塗り教科書をきっかけに教材探しを始め、そこから繋がった『銀の匙』授業。『銀の匙』1冊だけで中学の3年間進める授業とは、よほどの豊かな教養や知識が教師側にないと難しそう。あと、生徒側のある程度の学力の高さに助けられている面もありそう。とは言え、橋本先生は多読を奨めている。アウトプットは大事とのことで、息子と①交換日記②市販の読書日記を始めました。2023/02/18
大先生
11
橋本先生の授業は、【教科書を使わず、中勘助の「銀の匙」を使った自由な授業。3年かけて一冊の本をじっくり精読。寄り道・横道の連続…。受験が目標ではなく、人生で出合う困難を乗り越える基礎力を養うことこそが国語というもの。とはいえ、国語の基本は読み書き。鍛えるには①読後感を書く、②日記をつける、③詩や歌を作るが良い】。素晴らしい先生ですね。ところで、学校教育法には、原則として教科書の使用義務が定められています。本件は例外に該当したのだろうか…などという疑問を挟むのは野暮ってもんですかね(苦笑)2021/10/28
しろくま
10
100歳の時に書かれた本。自分はいくつまで生きられるか分かりませんが、こんな生き方ができたら素敵だなと思いました。趣味を持つこと、おしゃれ、老いとの向き合いかた。穏やかで謙虚、そして前向き。「86歳からはじめた『源氏物語』現代語訳。~ 人生に「もう遅い」ということはありません。」2018/05/01
はぎはぎ
6
思い切り横道にそれるとか、とことん気になったことを調べるとか、私も高校生のときによくやった。だが、実際に教師になってみると、学校やら生徒やらの事情で、なかなか同じようにやらせることができない。少しでも取り入れていけるといいんですがねえ。後半の人生について語る部分は、何と言うか非常に仏教的な趣がある。最近、手塚治虫のブッダを読み返したせいか、心穏やかに頷きながら読んだ。私も流れに逆らわず安らかに生きたいものである。2020/11/23
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