内容説明
日米戦争における日本の最大の悲劇は、日本が戦争に負けたことではなく、アメリカから一方的にやられっぱなしの、あのようなぶざまな負け方をした、戦闘内容のレベルの低さだった。これがいまだに日本人の潜在意識の底に尾を引いている。──本書「序文」より旧ソ連の秘密文書公開によって、ノモンハン事件がじつは日本陸軍がソ連軍を圧倒した勝ち戦だった事実が明らかになった今日、昭和史は大幅に書き換えられなければならない。……スターリンは恐怖に震え上がった。じつはソ連はすでに日本に停戦を申し入れていたのだが、日本から回答がないのを見て、焦慮のあまりついにドイツに泣きついたのである。日本が「恐ソ病」にかかっていたのは事実であるが、ソ連はそれ以上に「恐日病」にかかっていた。──本書「第一章 ノモンハン」より当時世界最強だった日本陸軍が、なぜ太平洋戦争に敗れたのか。その答えにこそ「昭和史の謎」を解く鍵がある。
目次
第1章 ノモンハン(反攻直前の停戦命令 ドイツの背信 ほか)
第2章 痛恨の選択!北進を断念(独ソ不可侵条約の衝撃 英傑・松岡洋右 ほか)
第3章 シンガポール陥落(日本陸軍が立てた金字塔 佐伯支隊五〇〇名の戦功 ほか)
第4章 陸軍悪玉・海軍善玉論の大うそ(北進論と南進論 海軍はあくまでも陸軍の側女 ほか)
第5章 世界史を変えた日本陸軍(ヒトラー対スターリン スターリングラードの地獄 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おっくー
3
具体的に数字が出ていて理解しやすかった。陸軍に対して考え方が変わった。2014/01/19
Fumi Kawahara
3
会社の上司が表紙の題名を見てドン引きされた・・・戦後、日本帝国陸軍は悪者扱いされるけど、いかんよ、食わず嫌い。中身は度重なる中国側からの挑発に乗って万里の長城を超えたのは痛恨の極みだけど、でも、海軍はいったい何してたの?っていう「海軍も悪い」本。まぁ、そぉ責めてくれるな。艦よりも陸の方が現場の自由度と選択肢が多いのは比べものにならんし、現場での創意工夫は日本庶民の国民性。ある程度の集団でも統率のとれた行動もできるけど、少人数だと更に能力倍増ドン、みたいな~。課題は、「エリート育成」だな、とつくづく思った。2013/05/03
フルボッコス代官
1
ノモンハン日本軍勝利を論ずる珍しい著書、内容も資料・数字を細かく多用し、説得力のあるものであり、日本陸軍の真実について良く研究されている名著であろう。
hdo obata
1
阿川弘之の海軍提督三部作「山本五十六」「米内光政」「井上成美」を読んだ影響か?なんとなく海軍びいきだった小生の固定観念陸軍悪玉説は、もろくも消え去った?またこの著者のナチスドイツの冷静なる評価は傾聴に値する。いわゆる東京裁判史観、中韓の反日プロパガンダに惑わさるなと言うことだろう。 2013/08/19
バグラチオン作戦
0
この本を読むと確かに山本五十六がダメ人間に見える。 作戦中に将棋を指しているのは、部下だったらやる気をなくしてしまうだろう。2013/03/27