内容説明
コミュニケーションの利便性を高度に追求した結果、人々は人間性を完全に喪失していた。二〇一二年七月、そのことを憂う口べたな四兄弟が立ちあがった。長兄は、多機能携帯電話を廃棄し、貝がらを耳にあてるよう訴える。そうすることで、人は心を静め、本来は聞き取れぬはずの声と交信することまで可能になり、それにより豊かな人間性を回復することができるというのだが……。ノスタルジィとリリシズムをたたえる福永信の最新作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かりさ
71
どうかその手にもっているものを投げすてて貝がらを耳にあててくれ…つまりスマホを海に投げ捨てて、貝殻を耳にあてなされ…はて?不思議。三姉妹とその友達は一切登場しないこれまた不思議。四兄弟の独り語りが繰り広げられる戯曲を模した小説にそのノベライズによりこの真相が解決する?するのか?読めば読むほど何を読まされているのやら?次第に独特な語りがツボにはまりクスクス可笑しくなり…いや~翻弄されました。心地好く。貝殻から聴こえる声は誰なのかどこなのか到底有り得ないことが面白い。着地点はありませぬ。放られっぱなし。最高!2016/09/07
多聞
12
福永信らしさが全面に押し出された関連性の物語。新たなコミュニケーションの形を目指す四人兄弟の独白による四幕の戯曲「三姉妹」と「そのノベライズ」は相関関係にあり、まずは後者を先に読むことで、時折吹き出しながらも本作の全貌の理解に役立つだろう。福永信の作品の中でも本作は物語性が強く、併録作「この世の、ほとんどすべてのこと」も含めて非常にわかりやすいので、入門編としてお薦めしたい。2013/05/12
まゆ
8
たぶん書きたいのはおもしろいことだけど、全然わからない。わたしにはわからない。普通に書いたらいいのに。2016/06/06
そうたそ
8
★★☆☆☆ んー、なんだかよくわからなかった。「三姉妹とその友達」なのに四兄弟だし。戯曲なのに戯曲っぽくないじゃん、とか。まずストーリーすらよく分からない。戯曲でもないし、小説でもないし……という。そしてそのノベライズが次に収録されている。こっちの方を読んでも意味が分からず。不思議な読書体験だけど、「一一一一一」には劣るかな。併録作は、表題作に比べて単純明快。本人はそんなつもりで書いたのではなかろうが、オチが小気味いいショートショートのよう。元は朗読された一遍のようだが、朗読に向いた作品だ、確かに。2013/07/04
aoneko
6
多機能携帯電話を捨て、貝がらを耳にあてよ。の惹句(?)が気になって読んだ。構造がすごくおもしろい。三姉妹…と言いつつ、出てくるのは四兄弟で、え?と思っていたら、そっけない人物表のあとに、「三姉妹で演ずる事」とある。演じろと。なお、「四人目は演出において創意工夫の事。」らしい。言葉遣いのおかしい可笑しさや、変なユーモアに笑ってしまうけど、ほんとうに真のコミュニケーションとはなんぞや、と、真摯に力強く訴えてくる、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・シェル)をとおして。続く「この世の..」は、笑うに笑えない。2013/08/06




