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内容説明
「水の惑星」46億年の事件史! 宇宙で唯一知られる「液体の水」をもつ海は、さながら「地獄絵図」の原始地球でいくつもの「幸運」の末に産声をあげました。しかし、それはわたしたちにとっては、猛毒物質に満ちたおそるべき海だったのです。原始海洋が想像を絶する数々の大事件を経て「母なる海」へと変容するまでの過程から46億年の地球進化史を読み解き、将来、海が消えるシナリオにまで迫ります。(ブルーバックス・2013年2月刊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
124
「地球は3つの石でできている」という本を読んでわかりやすかったので、この方のほかの本も読んでみようと思いました。海がどうしてできたのかや、地球がどうして今のようになったのかがわかりやすい説明で楽しませてくれます。私は化学、生物は苦手なのですが地学や物理は非常に好きな分野で今後ともこの筆者の本を読んでいこうと思いました。2017/12/24
月讀命
65
地球とは偶然の塊だ。太陽と地球の微妙な位置関係のお蔭で水が存在し海が形成された。シアノバクテリアが光合成する技術を発明したお陰で酸素が供給された。全球氷結や超大陸の出現により生物の殆どが滅ぶ大量絶滅等を経て今の地球が存在する。O2、CO2、Fe等の元素だけが地球を形成しているのではなく、動植物の存在とそれらの営みが地球の形成に寄与している事が意識でき、人間も地球の一部であると言う事実が理解出来る。この本は、地球誕生から現在に至る迄を1年の暦に当て嵌めて説明している。暦で年が明け人類の存在を望む限りである。2013/07/06
skunk_c
47
タイトルから地球誕生以来の地球史になるだろうと思っていたがビンゴ。当然生命の歴史にもなっており、子どもの頃に読んだ絵本『せいめいのれきし』(『ちいさいおうち』の作者のもの)を思わず思い出してしまった。プレートテクトニクスの始まりの部分の説明もあり、『山はどうしてできるのか』と重複する部分もあるが、むしろ補完する面が大きく、両方読んで大正解。仮説を立てて論証するいわゆる「理系的思考」で書かれた文章なので、とても読みやすい。ただ、黄河文明の評価(モンスーンによる稲作所以)とかは疑問も。ちゃんと調べてない感じ。2021/01/29
翔亀
45
【1】知らず知らずのうちに最新地球科学の世界に招待されるこのシリーズ第二弾は相変わらず快調。惑星としての地球、そして生命を生んだ地球を特徴づけるのは他ならない"海"なので、海はどうしてできたのかを語ることは、地球史・生命史を語ることに等しい。第一作の"山"が地球のメカニズム編だったとすると、これは歴史編だ。それにしても、酸素のない地球に酸素を生みだしたシアノバクテリアは、多くの生物を絶滅させたので人類をしのぐ「海の破壊者」だとし、この時はミトコンドリアを生んだ他の種が奇跡的に乗り越えたが、かように↓2016/06/22
白拍子
34
高等学校の生物の教員をしている私が感じることは、われわれ人間を含めた生物と、地球本体の関わり合いは深い。というより、同一のものであると考えることが出来るのではないか。そこに海というものの形成が最も重要だったし、今日生物にとって酸素の発生も重要だった。学校で習う、生物、地学、化学、物理など細分化して授業しているが、本当はすべて関連性があり、同一のものであると考えることが出来よう。・・・・久しぶりに、真面目に感想コメントしてしまった。2018/02/11