内容説明
恋愛ではない場所で、この飢餓感を冷静に処理することができたらいいのに。「本当のセックス」ができない結真と彼氏と別れられない美紀子。二人は「性行為じゃない肉体関係」を求めていた。誰でもいいから体温を咥(くわ)えたいって気持ちは、恋じゃない。言葉の意味を、一度だけ崩壊させてみたい。表題作他一篇。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
415
表題作と「ガマズミ航海」の2篇を収録。タイトルと表紙はファンタジックなのだが、冒頭からいきなり性的な表現が続く。しかも、かなりハードな。表題作は3人の女性が登場するが、彼女たちの恋愛観は最初から最後まで交点を結ぶことはない。とりわけ主人公の鶴子のそれは一般的な意味では極めて特異で、男性的である。彼女にあってセックスはもうほとんどスポーツ、それも格闘技であるかのようだ。また、もう1篇の「ガマズミ航海」での結真のそれは、セックスの情感を突き抜けてもはや滑稽でさえある。例えば⇒2022/06/12
おしゃべりメガネ
198
なんだかんだと読み続けている'クレイジー沙耶香'先生の初期の頃の短編集です。コンスタントに作品を出し続けながら、誰も真似できない(しない?)その独創性のある世界観は決してブレることなく、他の作品、作者さんを一向に寄せ付けません。本当にこの作者さんのアタマの中は果たしてどうなってるのかなと改めて思い知らされました。作者さんがほとんどの作品で扱う'性'のテーマに一番、真っ正面から立ち向かっている作品なのかもしれません。「性行為じゃない肉体関係」を求め、「本当のセックス」を探索する展開はとにかくクレイジーです。2019/12/12
さてさて
162
『あの、私と、性行為ではない肉体関係を、してみませんか?』 そんな言葉の先に読者の誰も予想できないまさかの『行為』が描かれていくこの作品。そこには、”官能小説”とは異なる村田沙耶香さんらしい生々しさに満ち溢れた物語が描かれていました。あまりに”ヤバい!”描写の連続に周囲に誰もいないか確認してしまうこの作品。それでいてこれは”官能小説”ではない世界が描かれたものという位置付けがよくわからなくもなるこの作品。村田沙耶香さんが描く奥深い物語世界からまた抜け出せなくなりそうに感じたキョーレツ極まりない作品でした。2025/07/24
ゴンゾウ@新潮部
106
村田沙耶香さん作品の初読です。ハンマーで頭をガツンと殴られたような強烈な作品。これだけ性行為のことを赤裸々に真正面から描かれるとむしろ潔く感じてしまう。心ではなく、身体が肉体の結びつきを求めてくる感覚。人間というか生き物の本能なのだろう。左脳よりは右脳に響く感覚。こんな作品は初めてだ。2017/02/03
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
89
☆4.0 『星が吸う水』と『ガマズミ航海』の2篇を収録。 どちらも村田さんの世界観の作品。『星が吸う水』は面白かった。 『ガマズミ航海』は村田さんの世界観についていけなかった。2021/01/11
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