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内容説明
戦後の世界には、常に米国が最強という「柱」があった。軍事的に経済的に、文化的にも他国を圧倒した米国が戦後世界を取り仕切った。旧ソ連との冷戦に勝利し、日本の経済的挑戦をも退けたことで、盤石と思われたその地位が、しかし今、揺らいでいる。米国の影響力が減退する中、世界は新たな秩序を模索し始めた。いっぽう日本は、ますます米国依存を深めているようにも見える…。外交と国防の大家が激動の国際政治をリアルな目で俯瞰。新時代の針路を読み解く。
目次
序章 世界は今、歴史的な変動期にあります
第1章 情報革命は国際政治に影響するでしょうか
第2章 「アメリカの時代」は終わるのでしょうか
第3章 「アメリカ時代の終わり」で世界秩序はどうなるのでしょうか
第4章 平和的手段の構築は可能でしょうか
第5章 日米四つの脅威をどう考えればいいでしょうか
終章 これまで述べてきたことを総括したいと思います
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
19
消費増税は所得税や法人税収入を1985年水準にすれば、その必要はないとのこと(028頁)。2010年朝日新聞世論調査では、在日米軍の存在についての日米国民の認識差について明らかにしている。日本人は42%が日本の防衛のため、とするが、アメリカ人はわずか9%しか答えていない(035頁)。この認識のずれは大きい。日米同盟の認識差でもある。ジョゼフ・ナイは、No.1がNo.2に抜かれるとき、戦争勃発といった(085頁)。日中戦争ではなく、米中戦争になるのだろうか? 北極の氷が溶けると自転や公転に変化があるだろう。2013/12/31
T坊主
10
1)日本だけが隣に世界で最も大きい超大国が出現するという事態を多くの日本人が予想していない-政治家、マスコミの怠慢? 2)情報は決して中立的に入ってくるものではない、多くの場合特定の政策へ誘導する情報が公表するものによって恣意的に流される。メデイアはその政策に都合のいい情報を流布し意識的な詭弁が行われている。しばしばその政策は米国発である。日本社会には正しい情報が伝わっていない。故に私達は自ら判断する時代に入った、その為に読書がやはり必要。3)選択には基礎的な知識が必要。4)世界は明らかに非暴力の方向へ2013/08/26
職商人
8
何時ものことながら非常に優しい解説でした。カナダ、北欧、EUから学ぶべきことはたくさんあると思いました。大きく言えば日本政府、とりわけ外務省、防衛省に著者に賛同する人が多く存在することを祈ります。昨今の情勢を見ていると、日本人、どうしちゃったの・・・・と思うことが多い気がします。大きく振れて、その振れ幅が大きくなってきているように思います。マスコミの操作そのままに動いていると・・・・。そうならないためには著者の言葉を借りれば「基礎力を身に着け、自分の頭で考える」しかないのです。2013/06/30
だんだん
6
だいぶ前に初版を買って以来、積読状態が続いていた。てことで漸く読む。初版が8年前であり、GAFAの台頭などで世界のパワーバランスも変化しつつある今日この頃ではあるが、日本にいて普通に過ごしている限り、自身が普段触れている情報が一面からの見方でしかないことを思い知ることができた。自分の生活に関係する情報がどうにも優先で、一見生活とは縁遠いような情報について、どのようにしてニュートラルな情報を入手すべきか。。といったところがキーになる気がした。2020/04/14
makio37
6
各々の論点について著者が示してくれる対立意見を読みながら、「今、米国の衰退という歴史の大転換点に立ち会っている」という自分の認識に大きな間違いはない事を再確認した感じ。ずっと気になっていた「米国衰退後の世界がどうなるか」についても考えるヒントを得られた。敢えて注文をつけるなら、著者の専門外なのだろうが、米国の力の源泉である基軸通貨ドル体制の今後について、何も触れないのは片手落ちではないか、と思った。2013/04/02
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