内容説明
「私は変わらなきゃいけない」。マサヒコに後ろから揺さぶられながら、二十二歳の翠は決意する。かっこよくて自惚れ屋で自分勝手。絶対に女を幸せにしない男、マサヒコ。束の間彼とすれ違い、交わった六人の女たちは、彼を捨てることで人生の一歩を踏み出す――。女たちのまっすぐな気持ちを赤裸々な性とともに描く、キュートで切ない連作小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
217
【読メエロ部】久々に部活しなきゃ、と手に取った作品だけど、エロよりも切なさが先に立っちゃった。やっぱ「R18文学賞」の受賞者さんたちとは相性いいんだわ、私。ひとりのロクでなしの男性を巡った女性たちの…ということで、『ニシノユキヒコ』や『潤一』を思わせる設定。ラスト、15歳のマサヒコの物語が特に好き。お多喜さん、よかったねぇ♫2016/07/24
絹恵
34
ニシノユキヒコとは似て非なるサエキマサヒコ。隙間にするりと入り込んで、心を攫っていくような彼。あの笑顔を思い出せないようになるまで、どれくらいの年月が必要になるだろうかと考えては彼のことを思っていることに、彼女たちは気付くことが出来ないのだと思います。彼が彼女たちの幸せの扉を開ける鍵だったのなら、彼にもまた幸せが降りますように。2015/06/18
らむり
23
毎度毎度このパターンだなぁ、南綾子さんは。面白かったけれど^^2013/09/06
Katsuto Yoshinaga
13
『BUTTER』が思ったよりヘビーだったので、ココは南先生かなと本作。1篇目から、「同僚運が悪い」と、結婚後7度も転職するダメ男に笑わせてもらったが、2篇目からはけっこう切ない女性らしい感じのストーリーに、女性らしくない感じの官能描写が合わされる。マサヒコなる自分勝手なオトコを狂言回しにした、山内マリコ氏の「ここは退屈迎えに来て」を彷彿させる私好みの構成で、楽しく読ませていただいた。ところで、著者はいまいちブレイクしない感じがしている。面白いんだけどなぁ…2022/02/21
からっぽな蛙《真梨江》
10
思った以上のダメ男ぶりに驚き。けど、最後まで憎めなかった。“男を捨てた女は幸せになれる。”という帯に惹かれたが、これは正しくないな。みんな、彼のことを忘れてなんかいない。吹っ切れたように見えて、彼との未来をいまでも思わずにはいられないんじゃないだろうか。駄目になると知っているのに。退廃の匂いを纏わせながら、驚く程横顔が綺麗な男。人懐っこく笑う、乱暴な男。彼女らはけして恋をしたのではない。転がり落ちるにはより強い引力が必要だっただけだ。そして、彼女らは落ちることが怖くなっただけ。それを幸せと呼ぶのだろうか。2014/01/21
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