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内容説明
混迷を深める幕末の京都守護職をあえて引き受け、戊辰の戦いで刀折れ矢尽きるまで、徳川への忠誠と尊王に殉じた会津藩。鳥羽・伏見の戦いで幕府軍が瓦解し、江戸城は無血開城……。諸藩が日和見の末に雪崩をうって新政府側へと恭順するなか、理不尽なものに決して屈さず、滅びてまで「正しくあること」にこだわった、その強く清らかな心根はどこから生まれたのか?本書は、「会津藩家訓」に凝縮された藩祖・保科正之の精神から、会津盆地で洗練された文化と宗教、「ならぬことはならぬもの」で締め括られる独自の子弟教育“什の誓い”、貧しくも明るくたくましい会津の下級武士「弥太」の暮らしぶり、鶴ヶ城の籠城戦で活躍した山本八重の覚悟まで、現代に受け継がれる“会津のこころ”を繙いていく。日本人が誇りにすべき精神の“粋”がここにある。長年にわたり会津に取材して作品を生み出してきた作家による、『保科正之』『会津武士道』に連なる好著。
目次
序章 保科正之に始まる会津のこころ
第1章 保科正之から受け継がれたこころ
第2章 会津武士の血脈とこころ
第3章 保科正之以前の会津のこころ
第4章 会津の最下級の侍たちのこころ意気
第5章 会津藩士の戊辰の絶唱
第6章 会津女性の絶唱
第7章 比較対照・長州のこころ
第8章 人の命を慈しむ会津のこころ
第9章 会津のこころのシンボル―白虎隊広場造営と鶴ヶ城再建