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内容説明
エロ小説の大家・川上宗薫と木枯らし紋次郎の笹沢左保。今や懐かしさすら漂う二人の流行作家。銀座に通い複数の女性と関係を持ちつつ月産1000枚超の小説を書き続けた豪傑たち。今は絶滅した「流行作家」という豪傑種と長年密接につきあってきた著者が、人となりから知られざるエピソードまでを縦横に書き下ろす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
午睡
4
川上宗薫と笹沢左保。昭和40年代に絶頂期を迎えていた二人の作家を、文芸編集者として濃密につきあってきた筆者が回想して、時代の相とともに、その相貌をくっきりと浮かびあがらせる。一般の読者は意識しないマガジンライター、ブックライターという区分けなど、さすが文芸編集者は着眼点が違うと思わされる。随所に光るレトリックもうまい。「川上宗薫という人は『形式ばったこと』『儀式的なこと』が好きではなかった。そういうことは嫌いだと正面から言うのでなく、形式が近づいてくる気配を感知すると…」など的確と思う。傑作レクイエム。2020/07/01
ワッツ
3
編集者による笹川佐保と川上宗薫の評伝。小生はこの二人の作品を読んだことはないが、この評伝はとても面白かった。300頁を超えるがまだ他のエピソードを知りたいくらいだ。兎に角流行作家としての気迫が凄い。そして二人とも飲み過ぎだ。それより川上の女漁りが凄い。ここまで突き抜けてると全く嫌悪感がない。笹川はかっこいいが、なにやら暗さがある。今となっては色々と突っ込み所のある二人だが、佐藤愛子女史の随筆などから川上の名は僅かながら残っているが、笹川は完全に過去の人だ。さらに二人の作品に関しては、忘れられすぎである。2017/05/28
takao
1
ふむ2019/10/04
ホッタタカシ
1
笹沢左保と川上宗薫。どちらも名前は十代のころから知っているが、作品は読んだことはない。消費され、忘れ去られる「流行作家」の悲哀にシンミリ。著者のつきあいが長いせいか、笹沢に関する記述が熱いが、彼が冨士真奈美や品川祐の母・マダム路子と交際していたとは知らなんだので驚く。川上と水上勉の「作家の喧嘩」事件も初めて知った。川上の“緩さ”を示すエピソードとして描かれ、確かに非は彼にあるが、webで調べると水上の対応もかなり陰湿で、その性格の一端を覗いた思い。笹沢の晩年と最期の様子もぞっとさせられる。2013/11/01
pudonsha
0
冨士眞奈美の突き放しぶりが凄い。2014/08/05