内容説明
「あなたは生きて」
苛烈な会津籠城戦にスペンサー銃を携えて、夫とともに死闘を繰り広げた八重。明治、文明開花期の京都で、新島襄と同志社を創立するために協力し、ともに時代に立ち向かい結ばれた八重。八重は常に前に向って、「生きること」「愛すること」を選んだのだった。
2013年「幕末のジャンヌダルク」と呼ばれた、大河ドラマの主人公である「新島八重」の会津での半生と、京都で同志社大学創立者の新島襄と再婚するまでの物語を、会津地方・喜多方在住の女流作家・菅野彰が小説化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
つったん
11
久しぶりにエッセイ以外の菅野作品。 ”生き続ける””あきらめない””共感する”そして”赦す事”について考えさせられる。 全体が同じ考えを共有する事の大切さと怖さ。 その中で自分の考えを通す困難さ。 そして譲れない大切な事。 八重のように生きる事は難しいけれど。2013/03/10
たまこ
10
会津在住の著者が描く新島八重。過酷だけれどそればかりではなかったと思える八重の日々が、優しく穏やかに描かれています。熱をこめすぎず淡々と、話は広がりすぎず丁寧かつすっきりまとめられていて上手さを感じました。静かで力強いラスト。題材は違っても菅野さんの他の作品のように温かい後味の残る作品。物語中に描かれる会津の自然も美しい。2016/11/27
ネムコ
9
えらく読むのに時間が掛かってしまった。主な原因は通勤電車で読めなかったから。会津戦争の話なんか人前で読めるかーっ! でも大好きな菅野さんがブログで「ぜひ読んで欲しい」とおっしゃっていたので頑張りました。泣けてしまう処を除けば、とても読みやすかったです。人口に膾炙する偉人としてではなく、ただの女性として、彼女の目線で話が進みます。きっと彼女は将来、自分が大河ドラマの主人公になるなんて思ってもいなかったでしょう。二人のだんな様はどちらも素敵な方でした。2013/04/09
安国寺@灯れ松明の火
8
会津出身の著者が描く新島八重の物語。「寛容」の源は、慈悲深さや忍耐強さなどの「感情」に限定する必要はないのかもしれません。八重はキリスト教を通じて「罪」と「赦し」を知るものの、薩摩・長州の人間に対する感情を捨てきれたようには描かれていません。とはいえ、人は、生きてなさねばならないことがある。そうした「理性」に基づく判断も、「寛容」に含めて差し支えないように思います。「寛容」を心の領分と考えるから、過剰に高潔に感じたり、逆に卑屈に見えたりするのではないか。近頃の日本の空気と重ねて、そんなことを考えました。2013/02/27
綾子
7
八重の桜 関連で手に取ってみた。サラッと読んだだけだけど、きちんと史実を調べて書いたのだろうと分かる。戦争描写などはドラマより生々しい部分もあるが、全体的にこの作家さんの文章は、とてもソフトで優しい。八重さんの心情、葛藤の乗り越え方が 繊細に描かれてて、よかった。もう少し細かく読んでみよう。余談だが この小説の八重さんも、あまり不美人という感じがしないw 美人と言われた事はないとは書かれてたけど。2013/07/31
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