茶箱広重

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茶箱広重

  • 著者名:一ノ関圭【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 小学館(2017/07発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
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  • ISBN:9784091924629

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内容説明

▼第1話/茶箱広重▼第2話/縦走路▼第3話/黒まんとの死▼第4話/俺が愛した女▼第5話/陽炎街▼第6話/ほっぺたの時間▼第7話/水茎
●あらすじ/安政5年、「東海道五十三次」で有名な浮世絵師・一立斎広重(安藤広重)が亡くなった。後を継ぎ、二代目広重となったのは、弟子の重宣(しげのぶ。本名・鎮平)。広重の名を汚さないよう懸命に努力する重宣だが、先代の妻だったお崑、わずか13歳で政略結婚させられたおかや、弟弟子・寅吉らとの間に生じる複雑な人間関係に翻弄される。やがて寅吉は独立し、実際は三代目であるにもかかわらず「二代目広重」を名乗り、生涯それを通した。一方重宣は世人から「茶箱広重」と呼ばれるようになる…(第1話)。
●本巻の特徴/残された資料も極めて少ない、「茶箱広重」と呼ばれた幻の浮世絵師・二代目広重。不遇な晩年を送ったが、西欧の印象派の画家たちにも大きな影響を与えた彼の人生を丹念に描いた表題作の他、遭難死した山岳部員の死因を推理する「縦走路」、炭鉱夫と芸者の賭けと愛を描いた「俺が愛した女」、5歳と2歳の男の子兄弟と母親の母子家庭の物語「ほっぺたの時間」、「南総里美八犬伝」で有名な江戸時代の戯作者・滝沢馬琴と、彼を支えた周囲の人々を描いた「水茎」など、力作7編を収録した、寡作で知られる一ノ関圭の中・短編集。▼初出「茶箱広重」81年/「縦走路」77年/「黒まんとの死」76年/「俺が愛した女」76年/「陽炎街」79年/「ほっぺたの時間」86年/「水茎」82年
●その他のデータ/巻末に浮世絵研究家としても知られる作家・高橋克彦氏によるエッセイ「一読驚嘆」を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紫羊

20
「ランプの下」同様、上質な小説を読んだような読後感です。「百日紅」の北斎もそうですが、江戸の絵師というのは枠にはまらないユニークな人が多かったのですね。2016/11/16

たまきら

19
大好きな漫画です。圧倒的な画力、綿密な取材力。日本の漫画には限界がないのか!?といいたくなります。一ノ関さんは絵本でも活躍されています。2016/07/11

akihiko810/アカウント移行中

18
漫画短編集。二代目・歌川広重の跡を継ぐことになった重宣の苦悩を描くことになった「茶箱広重」、失明した曲亭馬琴の口述を筆記するお路の話「水茎」など。7.5/10点  「二代目・広重」は二人いた。二代・広重が師の妻の元を去ったあと、三代が三代目を名乗らず、二代目を世間的に抹殺するために二代目を名乗ったからである。二代目は横浜に移り住み喜斎立祥と号し、外国輸出用の茶箱に貼付するためのラベル絵を描いたので、人々から「茶箱広重」と呼ばれた。二代広重こと重宣が偉大な先代の名前を背負う苦しみと、妻との不仲の苦悩を 2020/11/15

bluemint

13
30年以上も前の作なのに古さを感じさせない。白土三平の影響を受けたような迫力のある画質だ。しかも江戸、明治、昭和の雰囲気をうまく描いている。一本の作品の裏に膨大な資料の読み込みがあったことは疑いがない。絵が上手い、雰囲気が良い、綺麗にストーリーをまとめない。寡作なのが分かる。芸術家の産みの苦しみを理解できた作家だ。2018/05/12

はる

13
買い本。10年以上前に読んだものの再読。文庫版なので絵も文字も小さいのがツラい。それでも手元に置きたくなったので。祝言の場面や雪が降る風景を原画で見てみたいなあと思う。お崑の鉄漿(おはぐろ)や落とした眉が、モノクロなのに生々しく底光りしているように感じられる。そして不思議と若い者より爺婆の顔が良い。(読み手が古びたか)2014/04/09

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