内容説明
昭和47年、東京・羽田にほど近い、垂腹(たらふく)町。この町に住む謎の男・神馬。昼酒を飲み、犬や子供と本気で喧嘩、世の中ついでに生きている。でも、やるときゃやるぜ! …とびきりイキな人情アクション開幕!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
56
ちょっと目を離したすきに、庭先にひょっこりプレハブが建ち、一人の青年が引っ越ししてきました。母親とは顔見知りのようですが、何やら怪しい男で・・。「薔薇とダイナマイト、銀ピカのお宝、いちばんだいじなもの、這い寄るお好み焼き、はっぱや神馬」連作短編集全5話。アニメの脚本を手掛けられていたというだけあって、どちらかと言えば小説よりもアニメにした方が面白そうな内容でした。麻子のおませで小生意気なところが可愛かったです。脳内イメージとしては表紙の絵ではなくアニメ「東のエデン」の絵でした。★★★2013/06/09
しゃーら
7
以前本屋で見かけて気になっていた作品が図書館にあったので。時代背景もキャラも好みなんだけれど、どうもそれぞれの関係性がうまく繋がらないというかちぐはぐというか…いまいち入り込めなかった。多分私に昭和史についての知識が足りない所為もあるんだと思うけど。ただ、麻子の、あの年頃の女子特有の只管に背伸びしたい感はよくわかるなぁ。なんでか勝手に達観した気になっちゃうんだよね。神馬の、「一期一会のハレならば 三千世界に華と散れ!」っていう決め台詞も凄く良かった。格好良い。2014/07/20
たくのみ
7
神馬とミカン箱に載ったおしゃまな麻子。この表紙イラストが素晴らしい。もうこれだけで、この本の価値がある。昭和47年の話なのにポップな展開。でも、情景描写も浅いせいか、雰囲気が伝わらないことは、ちょっと寂しい。その辺が補完される映像化をしたら、すごく面白いのかも。2014/02/09
うにせん
5
新葉麻子は「キレモノ」にならなくてはいけないと考えている、頭のいい10歳の女の子。新葉の庭のプレハブに住み着いて、家賃を払わない職業「発破屋」の謎の男、神馬。短編5偏からなるほのぼのアクション。拳銃や日本刀まででてくる。麻子の小学生ならではの素直さ、感受性が微笑ましい。働きたがるし役に立ちたがる年頃。伊藤博文紙幣の時代みたいなので言葉があんな感じなのかな?生きていくことに対する神馬のゆるさはなかなかいい。明日もついでに生きよう。最後に麻子はキレモノにならなくてはいけないのではなく、なりたいんだと気付く。2018/02/18
豆花*ずか
4
麻子ちゃんの背伸びする姿が可愛いらしくもあれば、いじらしい。時代が時代なだけに過激なところもありますが、麻子ちゃんをはじめ、ご町内のみなさまや神馬の活躍により、華々しく纏まったのではないかと。2016/10/08