内容説明
亡くなった祖父母の遺灰を故郷のシチリアの教会に埋葬する――ルイーズにとって、それはどうしてもかなえてあげたい願いだった。でもまさか司祭ではなく、シーザーに会うことになるとは思わなかった。彼は地元で権威を誇る公爵家の当主。埋葬には彼の許可がいるというのだ。教会でシーザーを前に、ルイーズは思わず逃げだしたくなった。10年ぶりの再会だった。彼には今、大人の風格と厳しさが備わっている。18歳のわたしが一夜をともにした、若き日のシーザーではない。彼はルイーズの申し出を聞いたあと、また会う約束をしながら、すべてを見通したような陰りのある目で、去り際に言った。「きみとはまだ話しあうべきことがありそうだ」■2011年12月31日、惜しまれつつその生涯を閉じたペニー・ジョーダン。病床にありながら果敢に執筆を続けた、彼女の最後の作品をお届けします。長編を始め、数多くの小説を書き、長く愛された作家との思い出とともに、作品の世界をご堪能ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キッチンタイマー
7
舞台がシチリアってこともあるけどあまりの男尊女卑にまず。こんなじゃインドでもよくない？そもそもハーレの男尊女卑好きって不思議よね。息子もパパなしだと誇りが持てないとか、まあ容姿がイタリア系なのもあるのかもだけど。逆説的に女性頑張れってことかな。ペニー作品にしては女性の職業意識が薄く。ルイーズの痛々しさに涙。もうちょっと意志を尊重してあげてください。2015/01/04
きき
3
DNA鑑定した途端に父親面する男なんて要らないわ。だいたい親になるって血の繋がりさえあればなれるわけ？ヒロインも10年近く立派に息子そだててきたわけなんだから今更貴方の手は必要ないって拒めばいいのに。結局ヒーローのいいように流されてばかり。一度でいいから逃げ出した男は断固拒否、謝罪されても懇願されても相手にせずヒーロー数年憔悴させるくらい男前ヒロインが見てみたいものだわ2016/04/30
MOMO
3
スッキリしない！！！シーザー君はガッツり罪悪感にまみれて反省してるみたいだけど、それが何さ。あんたなんて自己保身に走った、ただの遁走野郎じゃない！謝罪の手紙を送ったぁ？それって一回こっきりじゃないさ！許すことこそが愛なのかも知れないけれど、私的にはちーーっともスッキリしない！！！！今が幸せで十分に報われたからって、過去のことを水にながせるかーーー！狭量？上等よ！2013/03/06
akiyuki_1717
1
ペニーさんの遺作なので読んでみた。が、ヒーローがとてもとても残念でした。というよりヒーローとして成立しているのか？自分の行動に責任を持てず、謝罪も出来ず、話し合うこともせず、脅迫じみた決断を迫る・・・ヒロインが許しくれたと思うと今度は彼女の人格を全否定してきた無慈悲の父親の許すようにと促す図々しさ。あり得ない。ペニーさん人生の最後には許しが全ての人を救うと思ったのかもしれないけれど、ちょっと無理があったかな。2014/01/14
ひまわり
1
ペニー・ジョーダンの遺作。面白かった♪ 若くして犯した過ちに苦しむ二人が切なかった。滅多にいない後ろ向きで自己断罪がキツいヒーローだった。2012/12/24
