内容説明
「俺は聞いてない」「私はそんなこと知らないぞ」――上司や取引先の人にこう言われて、困った覚えのある人は多いはずだ。昨年の東日本大震災の福島原発の有事でも、当時の首相・管直人氏が「俺は聞いてない!」といって、東電の現場を混乱させたという話がまことしやかに伝わってきている。この「俺は聞いてない」発言の裏にある心理状況や、そういった「知りたがる」人たちの「聞いた・聞いてない」の裏にある「メンツ」、さらには「セクショリズム」などの日本の企業社会に潜む問題にも焦点をあてる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
9
この言葉・・何回聞いたか、そして最近は聞いても冷笑する。おっさんだけでなく、おばさんも「私、聞いてないわよ!」そんなのは無視できるからいいけど、重要なカンファレンスでの決定場面で言われるとね。 しかし、日本を支える大多数の文化が「よし」としている空気を破るのはいかに難しいか。 一人孤軍奮闘したらいいってもんじゃない。組織、チーム・・上意下達。 状況依存の殻をむくむく動かし、ゆっくり現代化を図る・・しかないなぁ。 2013/06/25
牧神の午後
8
「上から目線の構造」の人。自著からの引用が多いってのは同じようなことを繰り返し述べていることでもあるわけで。ハイコンテキスチュアルなコミュニケーションのメリットもデメリットもまぁ一般論としてその通りなんだけど、じゃぁ、欧米のコミュニケーションや社会構造をそのまま持ってくるのが良いかというとまた違うわけで。具体的にどのようにすべきなのか、というところのツッコミが弱いのは、この問題の難しさを示しているのはよく判るけど、あれだけ日本的意思決定をこき下ろしといて無責任に過ぎるのでは?と興ざめした読後感。2014/09/15
AYA
3
加齢による思い込みか記憶力が悪いのかと思っていたら、日本的組織の問題だったとは。 なるべく口頭ではなくメールで、しかも個人宛ではなく、複数に送るようにしているが、それでも聞いていないと言われると、呆れてしまう。 で、具体的にどう動けばよいか、知りたいな。2017/06/29
もけうに
3
学生時代だったら、著者の言っていることに大いに納得しただろうけれど、実際に働いてみるとそう簡単な問題ではないとわかる…。高コンテクストでなあなあだから上手くやれている部分というのも確かにあるんだよなあ。難しい。察して動けと言いつつ問題起こると責任を押し付けられるという社会の構造がわかったので、うざがられても細かく報告すのが一番という結論に至った。そして、なるべく証拠を残す。口頭ならメモを残す。2015/12/17
長岡紅蓮
2
「俺は聞いていない!」が生み出される背景として、日本的な曖昧なコミュニケーションがある。書籍では「上司ー部下」関係による「メンツ」と「甘え」によって「俺は聞いていない!」という言い訳が通用してしまう構図を説明している。「言わなくてもわかってくれるだろう」と察する文化である日本的な精神風土がある限り、「俺は聞いていない!」という問題は一向に改善されない。上司へのホウ・レン・ソウをこまめにする。記憶の変容に対してはメールやメモといった形に残る外部記憶装置を有効に活用し、対策を取ることが必要である。2018/02/07
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