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内容説明
福島原発事故を経て、なお原発再稼働へと舵を切った日本社会。そもそも私達はなぜ原発を容認してきたのか。水俣病や足尾鉱毒事件で国家と闘った知識人・科学者の足跡を辿り、反原発運動が依拠すべき抵抗精神を探る。
目次
序章 「想定外」の真実と「想定内」の詐術と―再稼働を前にして
第1章 自分を売らない―葛藤を手放さないということ
第2章 「彼ら」は何を言い、私はどう行動したか―「原子力ムラ」を問い直す
第3章 「善人の思想」を超えて―騙されることの責任
第4章 敵を知り、自身を知る―長く続く抵抗のために
終章 私たちの原発をどうするか―原発への問い/原発からの問い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
団塊シニア
23
福島第一原発事故で原子力ムラの人間は誰ひとり責任を取ってないし無傷で生き延び再稼働容認の道を進もうとしてる、原子力ムラの実態、反原発に賭ける思いが伝わってくる一冊です。2013/02/20
ぽんくまそ
8
対談している2人の著作を、それぞれすでに読んでいたので、両者の思いはすでに知っていた。ぼくにとってこの本で新しく得られた情報は、抵抗してきた個々の人たちについてだった。「自分を 売ったらあかん」と詩をしたためた岡部伊都子、松下竜一、水俣病の原田正純、九州で反原発に尽力した平井孝治。これらの名を知らなかった。それぞれの個で、圧力に屈しなかった人たちである。2015/12/12
はる坊
8
原発反対の2人の対談形式の本。原発のデメリットは分かった、政府の対応がまずかったのも分かった、けどこれから現実的にどうするのかについてあまり触れられてなかったのが残念。説得力に欠ける。2014/11/05
D21 レム
7
原発事故以来、新聞テレビとネットや本の情報があまりにも違っていて、疑心暗鬼で眺めてきたこの2年半。小出さんは1970年から反原発で、表面的には個人主義的に活動してきたことが、小出さんの継続力となっているのだと感じた。しかし何一つ主張が受け入れられることなく40年、それでも言い続けることしかできず、言ったところで変わらないかもしれないが、言い続けることはやめない。「絶対原子力スイシンジャー」という動画があるらしい。あと岡部伊都子さんの詩とか、公害訴訟で闘ってきた人のこととか、心にすっとはいってくる本だった。2013/08/21
koike
6
「結局、日本は足尾鉱毒事件の時代から、国策に関わる一企業が出した「企業害」を「公害」と言い換え、企業側を守ろうとした。今回の東電への対応に相通じるものがあります。」←その通りだと思った。政治家は国としての日本を見るけど、国民1人1人になんて目もくれないのだ。だから国民1人1人が考えないといけない。タイトルにもあるけど、「自分を売らない思想」とか「流されない思想」も大切だと思った。 P135の昭和22年に書かれた伊丹万作氏の「戦争責任者の問題」は必読。2013/04/26