日本式モノづくりの敗戦―なぜ米中企業に勝てなくなったのか

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日本式モノづくりの敗戦―なぜ米中企業に勝てなくなったのか

  • 著者名:野口悠紀雄【著】
  • 価格 ¥1,584(本体¥1,440)
  • 東洋経済新報社(2013/02発売)
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  • ISBN:9784492395820

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内容説明

相手はサムスンではなくアップル・EMS連合軍だった――
シャープやパナソニックが大赤字に陥るなど、日本の製造業が苦境に陥っている。著者はその主因として、日本のメーカーが製造プロセスの垂直統合にこだわり、EMSを活用した水平分業の流れを理解しなかったことを指摘する。世界のモノづくりは劇的に変わっており、日本式の優位性は崩れ去ったのだ。
では、成長する新興国市場に飛び込めば、収益があがるのか? そこでは、際限のない価格競争が繰り広げられている。日本メーカーはどのような方向で戦略を練り直すべきなのか。「世界の大変化への対応で必要とされるのは、現場力ではなく経営力!」――ビジネスモデルの再構築に取り組む日本メーカーに、多くの示唆を与える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

33
わが国は業界や系列、顧客囲い込みが好きで、参入障壁の撤去は嫌い。実は、これは、1940年頃からで、戦争遂行よりも高度経済成長の実現に機能し、石油ショックを克服し、Japan as No.1を実現した。しかし、バブル以降は制度疲労し、中国、米国の後塵を拝するようになった。戦前のわが国は専門人材の流動性が高い起業社会で、米国の産業構造に似ていた。わが国の技術力は高く、資金も潤沢、問題は、肥大した垂直統合体制にある。我々の未来は、米国を盲目的に真似たり、中国詣でをしたりすることにはなく、我々自身の歴史にある。2015/06/05

James Hayashi

21
2012年著。アメリカ、中国、日本のモノづくりを比べ、いかに日本の製造業に未来がないか感じた。ただネガティヴに語るだけでなく、今後の対応如何で敗者にはならないと説く。ただ主要産業である製造業に期待はできない。貿易立国としてモノづくりにこだわりを持つ日本だが、脱工業化に成功した米国の様に新興ビジネスの勃興を促さなければならないだろう。また今ある企業に必要なのはプロの経営者と経営権のセット。外国企業の買収も歓迎すべき。グーグルやアマゾン、金融機関など新興企業に期待をかけるしかない。2017/02/13

壱萬参仟縁

15
がんばろう、ではなく、考え直そう日本、との発想は重要に思える(ⅴ頁)。昨年の日本IT企業が軒並み大赤字というとき、38頁の利益率の棒グラフは、垂直統合が大赤字なのに、水平分業が黒字になっているということが意味深い。人的資本面(科学・教育)でも、中国は既に日本を凌駕したという(99頁)。スタンフォードへの留学も、中韓は増えているが日本は減っている(103頁)。内籠りでは展望はないことの証。ただ、中国は大卒だらけ。日本は院卒だらけ。ひとづくりは会社づくり、社会づくり、くにづくりの基本であるが、心もとない。2013/04/01

手押し戦車

11
建設業も元請が一式に請負い下請けに仕事を回す構造が有る。ITにもゼネコンが存在する。系列の組織は自由度が無く株を間接保有され縛られるが水平型は都度、仕事に合わせ入替えが効くが効率や単価に技術の革新で入れ替えられる。元請けが技術を開発し下請けが製造する構造は世界的に変わらないが今後成長する新興国で市場が拡大する事と高収益を上げれるとは別問題と考え研究開発とブランド戦略に力を入れる。既に他の先進国や新興国の企業がいて高品質よりも低価格競争を利用し製造業の常識を工場が有るから持たざる経営へ変え販売力を上げて行く2014/10/29

ふぇるけん

10
製造業のあり方が、系列を中心とした垂直統合モデルから、EMSなどを活用した水平分業モデルに急速にシフトしており、日本の製造業が衰退しているのは、まさにこのパラダイムシフトに乗り遅れたためだ。40万人という規模の中国の工場は桁違いのスケールであり、どんなに改善を繰り返しても勝ち目がないことは明らかである。読んでいると日本の将来が不安になるが、小規模でも伸びている会社はあるので、そういった機運が高まっていくことを期待したい。2013/05/29

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