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内容説明
地球を半周して飛来する黄砂は、微生物たちの格好の乗り物だった! 中国奥地のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠から偏西風によって日本の上空に飛来してくる黄砂に、カビや細菌類が付着していることがわかってきた。黄砂が含む水分やミネラルが、長距離を移動する微生物たちにとってとても具合がよかったのである。黄砂からどのような微生物たちが見つかったか。微生物たちが長距離を移動する間に起きる化学的・生理学的変化とは何か。黄砂が落ちる場所で微生物たちがもたらす生態系、農業、人間や家畜の健康への影響とは何か。「黄砂に乗る微生物」をめぐり、科学者たちの探求が始まった。☆ 黄砂が飛んでくると、微生物の量が5倍にふえる☆敦煌の上空を飛ぶ黄砂の10%にカビや細菌が付着☆金沢や能登の上空の黄砂でも、微生物を採集☆標高3000mの立山の積雪から、黄砂と微生物を採集☆生態系、健康への影響はこれからの研究課題
目次
第1章 地球の大気とエアロゾル
第2章 いまどきの黄砂研究
第3章 くっついていた二つの粒子
第4章 北極圏、チベット、タクラマカン砂漠へ
第5章 空飛ぶ微生物探査、能登半島
第6章 見えないものへの恐怖
第7章 空飛ぶ納豆菌
第8章 バチルスという名の菌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
62
本書は、空気中に浮遊している微生物のありようを中心としたバイオエアロゾル学、あるいはダストバイオエアロゾル学と呼ばれる分野の一端を紹介した一冊である。2019/01/18
zag2
28
エアロゾルって、コロナになって初めて聞いた言葉のような気がしますが、こういう研究をしている方がいるんですね。納豆菌の話は最後の方に出てくるだけですが、それにつけても高度数千メートルのところを納豆菌などの微生物が浮遊しているというのはビックリです。2023/04/29
更紗蝦
27
タイトルからてっきり著者は納豆菌の研究者なのかと思ってしまったのですが、実はエアロゾルの研究者で、本書の全体的なテーマは「バイオエアロゾル学、ダストバイオエアロゾル学の一端の紹介」です。黄砂の健康被害を「黄砂(それ自体の)の健康被害」「黄砂と同じ空気にいた微生物の健康被害」「黄砂の表面に付着した微生物の健康被害」「黄砂の表面に付着した汚染物質の健康被害」に大別して考えねばならないという記述には、マイクロプラスチック問題と類似した所があり、分野をまたいだ研究の必要性というものを強く感じました。2020/12/16
たまきら
27
金沢大学の先生たちの著作はヒキガエルの研究やミツバチと農薬の関連など、子どもの頃からいろいろ読んできて一方的に好意を持っているのですが、空気の動きと生物の移動研究であるバイオエアロゾルという分野は知らなかったなあ。大風で時々鳥が迷って日本に来た、とかそれぐらいの意識しかなかったです。エアロだけでなく、その時期の流行病や風土病なんかをアジア全域チームで研究したら面白そうだなあ。ていうか、読んでみたい。2019/03/30
爽
12
納豆菌の話が主だと思って読んでいたけれど、微生物と黄砂の割合が大部分。おもしろかったけれど、半分くらいは斜め読み。微生物には興味があるけれど、どんな姿をしているかの興味の方が大きい。あと、最初の方で偏西風や貿易風が出てきたので、地理で勉強したことがここで役に立ったかー、とそれが嬉しい。浅く広くとらえる分にはこういうのを読むのもいいかも。2013/02/01
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