内容説明
10人に1人はうつであると言われているが、うつではなくとも、社会で生きづらさを感じ、うつ傾向にあり、ストレスを感じている人は多い。これらの人々は、社会の中で、多くの苦しい思いをし、悔しい思いを味わい、落ちこぼれてしまうのだろうか。不登校児7000人以上と出会い、彼らを元気にすることを天職とした著者は、自分自身の経験を通して、生き辛さを感じている彼らが生きていく知恵や方法論を見出した。今という時代になじめない感覚を持ち、社会に適応できない彼らは、「弱い」のではなく未来を感じ取る嗅覚に「鋭さ」があるからで、次に来る時代はその「不適応」が「適応能力」へと変化していくはずだと言うのである。本書は、一章・世間の常識に「NO」と言う 二章・ときめきに身を任せる 三章・分かちあい、喜びあい、悲しみあう……を通して、今ある弱さが次世代の「強さ」へ変化する方法を説き、若者たちに自分らしい生き方を指南する、励ましの書である。
目次
1章 世間の常識に「NO」と言う(「がんばれば報われる」の毒に気づいているか? 生きづらさをやわらげる「立ち止まる力」 ニーズばかりに応えていると人は大きく育たない ほか)
2章 ときめきに身を任せる(どん底まで落ちたら、そこがあなたの出発点 目の前の小さな「いま」を懸命に生きてみよ 地味で平凡なことをおろそかにしない ほか)
3章 分かちあい、喜びあい、悲しみあう(考えることの中には悪魔が住んでいる 余力を残さず生ききると元気の井戸に水がわく 体は心の入れもの―心を変えたかったら体から変えよ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
航輝
1
図書館本 著者が地元尾道の方ってだけで借りてみた本 厳しさの中の優しさや著者の挑戦する姿勢から生まれた師友塾のはじまりのエピソードは目から鱗 保護者や読み手に時には厳しい言葉も出てくるものの、読み進めていくと著者の考え方を知ればスゴく納得2019/11/19
Kitamuu
0
むやみに先を急がないことも才能のひとつである。 ニーズになんかに合わせるなという非順応主義のすすめを説きたい。カンという非合理な感覚が合理性の壁を打ち破る。 愚直な行いが、大いなる力の源泉となる。 みんなちがう個性をブレンドすれば、強い集団がてぎあがる。凡人は優秀な人に助けられて人になる。優秀な人も凡人を助けてひとになる。 天職のことを英語ではcallingという。すなわち自分を生かす独自の道は、自分を超える大きな存在から呼ばれるもので、自分から追い求めて自己解決するものではない。2021/10/10
あや
0
図書本。生き急いで自分を見て見ぬふりして生きていた私にピッタリとも言える本でした。あぁ…何を生き急いでいたのかしら。そう思わせてくれた本。 効率や合理性、損得ばかり気にして早く成し遂げようとすればするほど何かに捕まる。あぁもう!と苛立ち、余裕が無くなり、病んでしまっては更に時間がかかってしまう。ムダこそ心のゆとりに繋がる。急がば回れ。ほんと、この本にある通り、むかしから伝えられてきた言葉には、必ず深い意味があるんだなぁ。原寸大の自分に向き合った時、本当の人生が始まる。2020/07/21