修羅ゆく舟

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修羅ゆく舟

  • 著者名:蜂谷涼
  • 価格 ¥1,408(本体¥1,280)
  • 新潮社(2013/03発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103007739

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内容説明

種痘普及を念願する豪放磊落な蘭方医・玄齋と彼を愛する千草と沙穂。二人の女が織りなす奇妙で穏やかな妻妾同居は、玄齋が幕命により蝦夷地へ旅立つと同時に均衡を失う。嫉妬と我欲に翻弄され、ついに起こる悲劇の果てに彼らは何を見出したのか。己れの愛と生を一途に貫く男女の数奇な運命を描ききった圧巻の時代長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あかんべ

7
既存の夫婦関係を離れた感覚で、保とうとした千草。いいのよ、と言っておきながらも取って代わろう、優位に立とうとする気配をゆるせぬ。嗚呼女の業。最後再生を感じさせるところに救われた。2012/12/15

007

6
作者の蜂谷涼さん(女性)は私の故郷の北海道小樽市在住で、小樽を舞台にした作品も多く応援しているのです。蜂谷さんの書く女心のざらつきは天下一品。本作も妻妾同居(しかも妻と妾は二歳違いで姉妹同然に育った叔母と姪の関係)という設定なので、「ドロドロした女の業」が盛りだくさんでした。個人的には、玄齋医師が種痘普及のために蝦夷地に行きアイヌとも交流する様子をもっと読みたかったなぁと思う。それにしても・・・おんな強し。おんな恐ろし。2012/11/09

としえ

5
疱瘡撲滅の為に種痘(予防接種)を広めようとする蘭方医の玄齋と、妻の千草、千草の姪でありながら玄齋の妾でもある沙穂。その三人が同じ屋根の下に住み、二人の女はそれぞれのやり方で玄齋を支えようとする。もうその設定だけでお腹いっぱいという感じだし、主要人物の誰にも感情移入できないまま話が終わってしまった気がする。玄齋の子供達の書かれ方が雑な印象を受け、最後は良いようにまとまっていたのかもしれないが、読後感はあまりよくない。2013/02/19

ソババッケ

5
うーむ、よくわからん。この物語に描く作者の意図は・・・。。三船敏郎の赤ひげに良く似た風貌の蘭方医・玄斎、彼の種痘普及にかける執念を描いてみたかったんだろうが・・・。玄斎を支えるふたりの女性、妻妾同居のような状況は、どんな経緯があったにせよ、問題を生まないはずはない。その原因を作り出した玄斎の罪は明白ではあるが、それを諒としたふたりにも大きな責もある。最後は、因果としかいいようのない展開で、玄斎に関係する者を清算してしまう。タイトル通り、修羅の道に突き進む人間の業を見た気もする。★3.22012/11/19

星落秋風五丈原

3
“華岡清洲の妻”のように、一風変わった男と関わった妻と妾が時に嫉妬しながらも共同生活を続けていく。表ざたにならない分負の感情は深く心に溜まる。玄齋と女二人の関係を軸に描けばよかったのだけれど、作品に多くのテーマを盛り込み過ぎでは。2013/03/16

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