内容説明
「ラウル、会えてうれしいわ」ガブリエラは10数年ぶりに会ったラウルの手を握りしめた。でも再会がこんな日だなんて、とても悲しい。今日はガブリエラを親代わりになって育ててくれた、祖父の葬儀の日。幼いころから知るラウルとは、兄妹のように育ったけれど、事故で互いの両親を亡くして以来、今日まで会うことはなかった。抱擁を交わしながら、ガブリエラは彼の懐かしい香りに心を奪われた。今はただ、誰かにそばにいて抱きしめてもらいたい。けれど、それは今、私の腕の中にいるラウルではないはず。ガブリエラには、彼に惹かれてはならない理由があるのだから……。■兄妹のように育った幼なじみが12年の空白を経て再会。会えなかった日々を取り戻すかのように、2人の恋は燃えあがります……。パリ、ベネチア、スペインの古城へと巡る波瀾万丈のロマンスにご期待を!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akiyuki_1717
3
とにかく辛気臭いの一言です。影のあるヒーローを演出していますが、蓋を開けてみれば、後悔はするかもしれないけれど、亡霊に取りつかれるほど罪悪感を持つ必要はないと感じたし、いわくつきの部屋をそのまま保存してある城に妻となったヒロインを連れて行くのも失礼極まりないし、無神経なヒーローです。ここまで魅力薄なヒーローはお目にかかったことがないなぁ…2015/05/12
MOMO
0
陰のある苦悩するヒーローがお好きな方にはいいかと…ただ、それを陰気くさく感じてしまう私にはどうも…変な小細工なんざしてないで、さっさと真実を全部ぶっちゃけておしまい!と、何度叫びたくなったことやら…おまけに苦悩している当人は自分の行動理由に関して自己完結してくれているんだろうけど、何の説明も受けていないガブリエラとしてみたら、ただ、ただ、変化し続ける相手の感情や態度に翻弄されるばかりで、かわいそうだったし。あと、中盤でコンスエロが何かやらかしてくれるんではないかと期待していた分少々拍子抜けも… 2012/12/22