内容説明
江戸時代はセックスレスとは無縁だった。十五、六歳で初体験を済ませ、夫婦になったら毎晩色々な体位を楽しむ。夜這いはし放題、密通も日常茶飯事で、女郎買いにもおおらかな社会。性風俗も吉原、岡場所から夜鷹まで百花繚乱。その裏には蔓延する性病や身売りなどの悲劇も、もちろんあった。江戸の性生活を、素人の部と玄人の部に分けて、浮世絵も交えながらしっぽり解説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
279
かようにも、お江戸の素人男女はお盛んであったか。女性は十五、六で初体験、庶民の密通はあっけらかん、夜這いはし放題、、、。おおらかなことよ。恐るべくは、避妊や病気の知識や手段がなかったこと。そこだけは現代に生まれてよかった(違)。第2部の「玄人の部」に関しては、先生の他の著書と被るところ多く、遊廓部員のわたしには目新しい情報はなかったのが残念。2018/05/05
mitei
40
中身を読んだらわかるが昔も今も変わることなく脈々と続いていることが多いなと思った。2012/10/25
HMax
31
夜、男女が揃って電気がなければ、することは一つ。それにしても2008年から2010年にかけて何が起きたのか?僅か2年の間に16-19歳男性のSexへ興味なし・嫌悪ありの割合が17.5%→36.1%へ倍増。春画の挿絵が面白い、文字が読めたらもっと面白いのに残念。インド・清・李氏朝鮮・江戸の春画比較がまた面白い。江戸のレベルの高さに驚き。あと、春画本の名前がしゃれてる、「逢夜雁之声」「艶本葉男婦舞喜」等々。「おめえ早く風呂に行ってきな、おらあ一杯飲んで待ってるから」、そんな意味が込められていたとは。2021/06/10
駄目男
10
江戸時代の性については、今日以上に盛んだったとは、これまでも漏れ聞いているが何と、女性は十五、六まで男の肌知らぬ娘もなけれど、表向きはどこまでも初めてのつもりと、のっけから驚き入り候じゃないか。17歳以上で処女がいないとなれば由々しき事態だと思うが、その辺り、親はどう考えていたのだろうか。いや、親も亦同じ道を辿って来たというわけか。住環境が劣悪の中、まして娯楽が乏しい時代にあっては庶民にとって唯一の楽しみなのか、あの手この手の考察がスケベ心も相俟って覗き趣味のようで楽しいが悪迄も研究書として読んでいる。2019/03/29
屋根裏部屋のふくろう🦉
9
こと男女に関して言えば、平成より昭和が酷く、昭和より大正が酷く、大正より明治が酷く、明治よりも江戸が酷い時代だったという式は成り立たない。江戸時代、男女関係は文学や絵画でその豊穣さが描かれている。ああ男女関係はいつの時代も同じなんだと我々を安楽させ同時に高ぶらせる。興味深いのは、人妻が密通をした場合は亭主の対面もあって7両2分で決着がついたってのも面白い。つまり間男にとって人の女房の抱き賃が7両2分(コメの値段にもよるが約70万円)ってことかい。(\*0*/) 本書後半は遊女関連の内容が多い。2019/02/25