内容説明
「演奏態度は最低、演奏は最高」と評された孤高のピアニスト、グレン・グールド。なぜ彼は「コンサートは死んだ」と言い、ステージに上がらなくなったのか。生誕80年、没後30年にあたる今年、コンサート・ピアニスト時代の軌跡を追うことでその謎に迫る。
目次
第1章 理由なき反抗
第2章 雪どけ
第3章 オン・ザ・ロード
第4章 ブラームスはお好き
終章 いくつかの後日譚
付録 グレン・グールド主要レパートリー、シーズン別演奏回数
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケニオミ
6
奇を衒うのが好きなくせに、コンサートで評価されることを嫌ったピアニストというイメージが強いグレン・グールドのについての本はよく読んでいます。今回は副題の「孤高のコンサート・ピアニスト」に惹かれて手に取ったのですが、グールドのどの部分が孤高なのか少し理解に苦しみました。ジェームス・ディーンやエルヴィス・プレスリーなど同世代の人物にスポットを浴びせながら、時代の中のグールドという視点には好感を覚えました。しかし、この手の本では青柳いづみこさんの「グレン・グールド 未来のピアニスト」が一押しですね。2012/11/26
Shin
3
グールドについて書かれた手軽な新書を読もうと思ったけれど失敗しました。「コンサートから引退するまでの軌跡を追い、それを通して二十世紀の文化、芸術、あるいは社会全体におけるグールドの位置を確認する。」とあるけれど、本当に言葉どおりの内容になっています。サリンジャーの引用から始まり、様々なアーティストが引き合いに出されますが、グールドについて何を言いたいのかは不明です。しかし、作者はあとがきにコンサート・ピアニストとしてのグールドを書こうと思ったと記していたので合点はつきました。2019/04/08
ざび
2
私の信頼する中川右介氏の本。昨年から本格的に聞き始めたクラシックでこの二年間私をつかんで離さないグールドの人生。プレスリー、ジェームス・ディーンなど同時代のヒーローとのエピソードを交えて語る。ずっと謎だった「弾きながら唄う」ということも解決してスッキリ。絶対に売れる。2012/11/10
山吹
2
グールドを時代の反逆者、ととらえるのは微妙に強引な気がする。プレスリーと並べられてもピンとこない。2012/10/18
hr
1
中川氏の著作はこれに限らず、歴史書であり叙事詩であると感じる。2013/04/01
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