内容説明
徳川三代将軍・家光が生涯で唯一愛した側室・お万の方の一生を描く、著者晩年の代表作。徳川三代将軍家光が見初めた女性は、公卿・六条家の出身で格式ある尼寺の院主となる17歳の娘だった。無理やりに還俗させられ“お万の方”と名を与えられた彼女は、春日局をはじめとする大奥の女人たちからの嫉妬を受けながらも、たおやかに「女の園」を生き抜いていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桐ヶ谷忍
9
若干17歳にして尼寺の院主を継いだ少女は、将軍へ挨拶する。その席上で家光に一目ぼれされてしまった彼女は無理やり家光の側室にされてしまう…。タイトルに「夫人たち」とあったので代々の将軍の夫人たちの話かと思ったら、才色兼備のお万の方がどう大奥を統べっていくかの話みたい。これはこれで面白い。2018/09/15
ゆうこ
2
☆☆ドラマ大奥とかではお万の方の時代とかもやっていたけど、こんな経歴の持ち主だったんだ。とあらためて思った。若干、脚色が強いかな?と思う部分もあったけど、ぜんぜん許容範囲なので続も読んでいきたい。2013/01/10
Yumikoit
0
以前読んだのは単行本。今回は文庫にて。よしながふみの「大奥」の元ネタ本だが、ほんとに面白い。2016/01/10
みさき@ついった
0
お万の方の女性らしい強さと美しい文章が魅力的だった。思っていたより読みやすく、さらさらと読むことができた。下巻にも期待したい。2014/06/13
青山潤子
0
吉屋信子というと、往年の少女小説が名高いが、新聞に連載されていた大奥モノの元祖がこのシリーズ。絢爛豪華な刺繍の襠や意匠を凝らして誂えられた調度品にまつわる描写にうっとりとしてしまう。将軍との閨をめぐって繰り広げられる女たちの戦が、品格有る日本語で読めるのは、正にこの小説だと、お薦めしたい。2013/11/30