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内容説明
二〇〇九年夏、日本で史上初の民意に基づく政権交代が起こった。だがその後の民主党政権は、鳩山、菅、野田と首相が変わるたびに政策が大きく変容、小沢をめぐるカネの問題に苛まれ、離党者が相次ぎ、決められない政治が続いた。当初、八割近くの人びとが支持した政権交代とは何であったのか。本書は、民主党政権の軌跡を辿るとともに、政権交代を経ても、なぜ民意を反映しない政治が続くのかを明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
51
結構テーマが新しく報道で覚えている内容が多かったが、鳩山元首相の迷走ぶりも文章にしたら格式高く感じるから不思議だwしかし本書では民主主義が機能不全に陥っているというがむしろ民主主義が行き着く所まで到着したという感じがする。2012/10/22
HANA
23
日本人全員をモルモットとした政権交代という社会実験も終わろうとしているので、いままでの流れを掴んでおこうと思って読んでみた。時期的には安倍内閣から国民の生活が第一の分裂までを検証している。こうして流れを追ってみると民主党…想像以上でしたね。あらゆる分野をグダグダにしているような。その後、著者の提唱する選挙改革案を提示しているが、マニフェストが選挙の看板のみになっているという一点は同意するものの、本当に必要なのはそれに騙されない国民の意識改革じゃなかろうかとも思った。2012/10/10
林 一歩
22
選挙制度についての提言に諸手を挙げて賛成は出来ないが、少なくとも衆議院の小選挙区制は変えた方が良いと思う。所謂、ふわっとした民意によって、阿呆みたいな為政者が蔓延る可能性が高い。ガバナンスが存在しない団体…政党も然り企業も然り…は淘汰されてしまうのだろう。それを短期間で実践した民主党は、反面教師としては有効だったかもしれない。2014/06/07
田園の風
7
日本の選挙では、選挙公約を守らなくとも次の選挙結果に影響しないとある。政策よりも政党を選択するのだ。まずは、民主党のマニュフェスト破りを批判するより先に、我々有権者の間抜けさと安易な投票行動を恥ずべきだろう。しかし民主党とは何だったんだろう。鳩山の「最低でも県外」発言、できもしない政治主導、予算化できていない諸施策。何はともあれ優秀で、国政での経験もそれなりにあった人達の集団であったはずだ。その彼等が自分達の主張の実現性を本気で信じていたのだろうか。それが最大の謎である。2013/02/27
西澤 隆
5
埋蔵金とは「定期預金(基金)を解約して毎年の支出の一年目のモトにする」なのだから二年目以降のことなど考えてはおらず無責任極まりない。そんな民主党政権の混迷をまとめた本の一冊なのかと思えば主題はそこではない。多くの国民が「民主政権はダメ」「政権交代はよかった」の相反する意見を持つのは、結局のところ「公約」と「当選後の議員の行動」は関連性が低く、「公約」と「投票行動」にも関連性が低い現状が問題なのだということを統計を使って浮かび上がらせやや暴論めいているけれど選挙の仕組みの変更を提案する最終章にあるのだ。2013/08/29