内容説明
福島原発問題はどうなっていくのか。今後にまつわる疑問にやさしく答える。官邸で事故対策に取り組み総理に「脱原発依存」の政策を進言した元内閣参与がすべてを語る。
【主な内容】
第一部 福島原発事故について
第二部 原発の安全性について
第三部 高レベル放射性廃棄物について
第四部 脱原発依存の政策について
第五部 原子力の未来について
原発の未来をめぐる一問一答
目次
第1部 福島原発事故について
第2部 原発の安全性について
第3部 高レベル放射性廃棄物について
第4部 脱原発依存の政策について
第5部 原子力の未来について
原発の未来をめぐる一問一答
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
5
「『もう福島原発事故は収束した』『もう同じ事故を起こすことはない』という楽観的意見を語る方がいます。実は、そうした『根拠の無い楽観的空気』こそが、今回の福島原発事故を起こした原因であることを、我々は、肝に銘じるべきでしょう」(22ページ)。至言であろう。巻末には未来をめぐる一問一答が書いてあって、まとめに使えるものである。原発収束には、マンパワーが相当数必要になると評者想定しているが、失業している人から動員される可能性がある。だから、洗脳されて辛うじて現場で作業を強いられる日がやってくるかもしれない。2012/11/14
サンセット
2
田坂広志、という名前は前から聞いていたが、とても均衡のとれた内容で説得力があった。文章は非常に分かりやすく、人に伝える文の良いお手本だと思う。原発とは関係ない所でも感心した。内容は、「福島の事故は楽観的空気から起きたもので、技術的要因だけでは改善できない」「原発事故処理にあたり最も重要な事は、処理を行う組織が国民からの信頼を得ている事」「即時原発停止をしても安全・安心を得る事は出来ず、今後も長期に渡る原発の研究が必須」「将来の原発政策の決定には、国民意識の成熟や脱原発依存政策の成果を待たねばならない」等。2013/03/18
_aesop_
2
非常にバランスのよい人だなァというのが田坂教授の印象でした。原発の話となると、技術論か感情論のどちらかに偏りがちだと思うのですが、両輪にして分かりやすく書かれていて、よかったです。2012/10/13
李ホワイト
1
とてもとてもわかり易かったです。原発についていろいろ思うところがありますが、この本によって自分の思いを具体的に説明・補足していただいたような気がします。ただ田坂教授の示唆とは真逆に進もうとしている現政府への怒りが募ります。2012/10/20