内容説明
日本に憧れ、たった7万円を持って来日したスリランカ人のにしゃんたさん。日本語に苦労し、お金もなく、肌が黒いことで差別やいじめを受けた波瀾万丈な25年間の中で、彼が日本で遣ったお金と貰ったお金、<お金>をキーワードに綴った、ユニークな日本論。経済学者の金銭収支から、本当の日本の豊かさを考える!
目次
第1章 日本で「なんとか」稼ぐ(日本に来たときの所持金―7万円 初めてのアルバイト―時給500円 目標にした外国人タレントの古本―300円 ほか)
第2章 日本で「なんとか」生きる(バーの用心棒―時給1000円 初出演のテレビのギャラ―3万円 京都府名誉友好大使の一ヵ月の報酬―約15万円 ほか)
第3章 日本で「つくづく」幸せを感じる(結婚式で使ったお金―3000円 京町家の家賃―15万円 社会人落語日本一決定戦準優勝の賞金―20万円 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
52
素晴らしいです。日本にたった7万円持ってやってきたスリランカの青年。日本の大学に入るつもりだけれど、日本語もしゃべれない。1年前ホームステイでたった1日泊めてもらった家に来て、面倒見てもらえると思っていたらしい。実際、スリランカの彼の実家の母はそうやって何人もお世話している。でも日本ではそうはいかない。住み込みで働けるところを探し、語学学校から立命館大学の留学生枠に合格。就職できなくて大学院に。そして大学の准教授に。いじめにあい、苦労もしているが人に恵まれ、日本人女性と結婚。空手、落語、TV講演会と活躍。2017/03/10
SHIN
21
著者はスリランカ人から日本国籍を取得した。日本人からの差別的いじめを受けながらも、強く負けない心を持って生きたことが自己成長に繋がったのだろう。こうして読んでみると、日本の国際化とはなんだろうと考えさせられる。日本人同士で議論する理想と実態との溝を埋めなければ真の国際化とはならないだろう。2024/05/05
なにょう
20
願えば叶う、だけどこの方はやることちゃんとやってるなぁって。頑張ってるわ。あなた、2年で日本語習得して、ちゃんと漢字も書けるようになったってそれはほんまにえらいわ。非漢字文化圏から来てそれはほんまにえらいわ。私、なんか何とかなるってぼんやり思ってたけど、甘えてたらいかんわって思った。★38歳くらいまで辛抱して大学勤めて結婚して、今は安定してるみたい。私なんかまだまだだ。これからも波乱はたくさんあるだろうなぁ。2017/02/26
ヨータン
17
素晴らしいです。彼の努力、そして何より人に好かれる性格のでおかげで、日本でこんなに活躍できたんでしょうね。それにしても彼を差別していじめた山口の大学の上司、いい年しておとなげないなと思いました。2018/02/04
雛
5
幸せに値段なんてあるんだろうか?そう思いながら読み進めました。きっと「にしゃんた」さんはスリランカでも、日本でも…どの国でも周りの方々に愛されその事を素直に感謝して大誠されてたんだろうな…と思う。日本人特有の社交辞令を真に受けスリランカから出て来てしまった外国人を過去にたった1日お世話しただけのホストファミリーの寛大な対応から始まり…国籍を取得し、家族を得て・大学の教授を含め様々な仕事も波乱万丈だけでは済まされない。様々な事柄にヒヤヒヤしたり、悲しくなったり安堵したり…幸せの値段。心に留めようと思いました2024/04/23
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