内容説明
妻に苛められることで愛を確認するヒモも同然の婿養子。何を言われても耐えられたが、どうしても許すことの出来ない一言を妻は口にしてしまう。愛は憎悪に変わり、男は自分の「ある能力」を駆使した殺人計画を練る。だが、事態はまったく予期せぬ展開を見せる――。『七回死んだ男』『人格転移の殺人』と並ぶ、西澤ミステリの傑作が新装版になって登場!(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅら
224
バカバカしい系ミステリー。「○○○○○○○○殺人事件/早坂吝」に似た匂いを感じたがこっちが先だし、まだ誠意ある印象笑。文章が読みやすい、登場人物のキャラ立ちがすごい、特殊な手法を使ったとはいえミステリーが完成されてる、(屍人荘の殺人/今村昌弘にも近い)サラリと描かれる人間の心情が妙に言い得てるなどで大変おもしろかった。この方の本はまた読んでみたい!「しかし何事に於いても、人間は完全無欠な能力なんて都合のよいものを有し得ない。その不完全さこそが人間を人間たらしめているわけで、現実はそう甘かないのである。」2023/05/28
しんたろー
152
西澤さん2冊目。ミステリと超能力を一緒にするという禁断の食べ合わせを上手く料理して食べさせる西澤さんらしい作品。今回は特に語り口や台詞のやり取りがテンポの良い漫才みたいで大いに笑わされた。初期設定のテレポーテーションをするためのルールが明確で面白く、それが枷になってミステリとしても活用されているのがニクい!メインキャストの性格づけも可笑しくて、ほぼ5人だけで話を巧みに展開させているのも感心した。途中で真相が見えてしまう弱さもあるが、それでも良くできた娯楽作だし、舞台劇にしたら楽しめると思った。2017/06/21
nobby
74
テレポーテーション能力を使っての殺人計画。どれだけSF展開かと思いきや、なかなか飛ばない(笑)そのテレポートにはアルコールを口にしなくてはいけないが下戸、移動先の何かと入れ替わる、行った先では全裸で何も持参出来ない、こんな不憫なとんでもない設定が実に見事なロジックを生む。登場する人物達がフシダラな関係を重ね、あまり心地よくはないが読み進めてしまう。最終章40頁で描かれる謎解きには、身を乗り出しながら感嘆してしまいお見事!2015/08/12
kokada_jnet
64
前半の主要キャラクターどうしの、身内でのウダウダした鬱陶しい会話の連続が(狙って書いているのだろうが)、とにかく不快でたまらず、読書中断。ミステリファンにしても、SFファンにしても、現実世界でのそういう会話で大嫌いで、「論理的にストーリーが展開される」ミステリ/SFが好きになったはずなのに。なので、この本はどんな読者に向けて書いているかが、わかりません。2023/06/18
W-G
64
西澤保彦さんの作品は実はあまり読んでいないのですが、文章がすごく好きです。この軽妙な文章と設定の面白さだけで一定のクォリテイは保てちゃいますね。この作品も面白かったです。今後はもうちょっと追っていこうと思うのですが、なかなか売ってない作品も多い・・・2016/02/27




