光文社古典新訳文庫<br> ねじの回転

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光文社古典新訳文庫
ねじの回転

  • 著者名:ジェイムズ/土屋政雄
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 光文社(2013/12発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334752552

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内容説明

両親を亡くし、英国エセックスの伯父の屋敷に身を寄せる美しい兄妹。奇妙な条件のもと、その家庭教師として雇われた「わたし」は、邪悪な亡霊を目撃する。子供たちを守るべく勇気を振り絞ってその正体を探ろうとするが――登場人物の複雑な心理描写、巧緻きわまる構造から紡ぎ出される戦慄の物語。ラストの怖さに息を呑む、文学史上もっとも恐ろしい小説、新訳で登場。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ehirano1

139
登場人物たちの異常状況下における心理描写と駆け引きに翻弄され、そして圧倒させられました。同時に、亡霊を含む登場人物各々の言動がとても怖かったというのが印象的でした。2024/06/24

優希

119
恐ろしさの漂う空気を感じずにはいられませんでした。両親を亡くした兄妹の元に雇われた「私」が亡霊を目撃するというのはホラー小説にありがちな気もしますし、そういう意味ではホラー小説の古典とも言えるのかもしれません。亡霊に操られる兄妹と彼らを救おうとする「私」。亡霊はたまにしか姿を見せないことが精神の崩壊につながっていくように見えました。「文学史上最も恐ろしい小説」とは誇張とも言えますが、そう言うに値するだけの恐怖小説のような気もします。2017/01/22

アナーキー靴下

109
幽霊を見たのは誰か…? お気に入りの方が『金の鍵』のレビューで引用していた、W・H・オーデンの「自分が想像した世界を、五感で受け取る事実から成り立つ世界と同一視してしまう人は、正気を失う」という言葉や、最近立て続けに起きている物騒な事件が浮かび、最初から最後まで家庭教師の幻想として一元的に捉えてしまった感はある。クリスマスイブの怪奇譚に集う面々は下品な詮索好きにしか見えないが、家庭教師も言葉にしないだけで同じ部類なのだと。この物語を解釈しようとしたり、知らず知らずニュースの事件の背景を想像する私もである。2021/10/17

harass

101
ガーディアン紙の100冊。別訳で読んでいたがこれで再読。美しいが神経過敏な女性家庭教師の主観の手記による、「幽霊物語」。シンプルで短めの本で、読んでいて、まどろっこしさを感じるのは、語っていることが本当なのか彼女の幻想や思い込みなのかと断言せずに宙ぶらりんにしているため。語り口は読んでいて、キングやシャーリー・ジャクソンなどや、「ローズマリーの赤ちゃん」を連想した。物足りなく感じるところもあるが、1898年の作品で古典として読まれるのもわからなくないと感心する。名作。2018/11/20

パトラッシュ

100
初読時は同姓のM・R・ジェイムズの作品に似た怪奇小説と思っていたが、数十年ぶりに再読したら超自然現象よりも恐ろしい人間の残虐性を描く心理小説として受け止めた。人の動きが少ない田舎で庶民が見て見ぬふりをする有力者の屋敷内であった女子供に対する性的暴力による恐怖支配とは日本の旧家を舞台にした物語でもありそうな話だ。そこにイングランド人の地主とアイルランド人の使用人という植民地支配に通じる設定が加われば、社会小説の相貌も帯びてくる。悪意に満ちた大人による汚い現実に反抗した少年は死ぬ以外に逃れる道はなかったのだ。2019/12/07

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