角川ソフィア文庫<br> 君主論

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角川ソフィア文庫
君主論

  • ISBN:9784044086091

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内容説明

権力とは何か、国家とは何か、リーダーは何をなすべきか。軍事や外交ほか多くの事例をもとに、非情な政治の理論を大胆に提言。「マキアヴェリズム」の語を生み、今なお有用な示唆を与える比類なき論考。

目次

君主国にはどういう種類があるか、またどういう方法でそれを手に入れるかについて
世襲君主国について
混合君主国について
アレクサンドロスに征服されたダレイオス王国では、アレクサンドロスの死後その後継者に対して、どういう訳で謀叛を起こさなかったのか
占領されるまではそれぞれ固有の法令の下に存続していた都市あるいは君主国は、これをどういうふうに治めていかなければならないか
おのが手勢によって勇敢にかちえた新しい支配権について
他人の軍勢と幸運とのおかげで手に入れた新しい君主国について
凶悪な振舞いによって君位に登った者どもについて
市民君主国について
君主国の国力はすべてこれをどういうふうにして測定しなければならないか〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐっちー

23
塩野七生さんの『我が友マキアヴェッリ』からの流れで。仕事をクビになったマキアヴェッリが失意の中で、混迷するイタリアを見つめて書いた作品。かつてマキアヴェッリが見つめた戦う枢機卿チェーザレ。亡き英雄の影を追う感傷的な詩歌ではなく、冷徹に政治と権力を問い、苦境に立つ国家を救うには何が必要かを論理で説く。頭脳明晰なマキアヴェッリの再就職活動が生んだ著作かと思うと切ないが、何故か苦笑してしまう。世間で言われるような危険な書物では断じてない。2016/01/18

いりあ

20
イタリアのニッコロ・マキャヴェッリが政治学の著作です。ルネサンス期の作品として世界史などで紹介されている作品です。当時のイタリアの政情を考えて書かれているため、ローマやナポリなどを始め、ヨーロッパの歴史を知らないと非常に読みにくいと思います。全26章から成り、君主政体の種類や君主政体において必要となる軍備、国民や同盟国に対する君主の態度や政策がどのようなものか例を挙げながら論じられていきます。たまにビジネス本として紹介されたりしていますが、決してお手軽なハウツー本ではないのでご注意を。2013/08/14

異世界西郷さん

16
この手の古典を読むたびに“現在語訳”されたものはないのだろうかと思います。なかなかに読みづらい本でした。言葉の使い方もそうですし、当時のイタリア情勢がある程度理解できていないと読み進めるのは難しいのではないかと思います。とはいえ、物事を説明するのに古今東西のあらゆる事例を以て当たるという方法は参考になります。自分が何を言わんとしているのかを読者に理解させようと腐心しているのはなんとなく理解できます。「この当時の人々にとっては」、他の似たような書物に比べて大変分かりやすくなっていたのではないでしょうか。2015/01/02

袖崎いたる

6
運命は女だ、時にはなぐりつけないと増長する。マキャベリの言葉だ。パッと見てエゲツない言葉だが、解説の大澤真幸の文章を読むと、ほぅとなる。マキャベリは美徳(Virtue)を良しとし、運命を(Fortuna)に挑めと言っているのだ。この挑戦の図式自体は自己啓発系やスピリチュアル系にも通じていると思う。あるスピリチュアリストが、宿命は変えられなくとも運命は変えられると言うとき、マキャベリの美徳は明らかに運命を変える意志態度に符合するからだ。2022/11/27

由良

3
ちゃんと読むには時間が掛かり、知識も足りず、深く理解するのは難しい本だったが、言い回しやフレーズを追うのが好きなので結構楽しめた。また、1テーマ1章の形式なので、読み返しがしやすい。巻末の解説で、マキアヴェッリの生い立ちや時代背景、出版前後における経緯を知り、本編を読了して尚、興味が沸いた。2013/04/24

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