朝日新書<br> 私たちの国で起きていること―朝日新聞時評集

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朝日新書
私たちの国で起きていること―朝日新聞時評集

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  • サイズ 新書判/ページ数 373p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022950178
  • NDC分類 304
  • Cコード C0236

出版社内容情報

移民と自衛隊、社会の分断、沖縄と本土──。デモに出かけ、被災地に出かけ、隣近所に住む主婦とも日常会話する「行動する社会学者」の物の見方・思考法がわかる。朝日新聞論壇時評(2016年4月~19年3月)、夕刊連載「思想の地層」(2014年4月~16年3月)をまとめて一冊に。

内容説明

人間の尊厳を軽んじていることが、停滞と閉塞感の根底にある。日本と世界を見つめ続けた8年間の軌跡。

目次

1 論壇時評 2016‐2019(冷戦後30年の日本―世界の変化になぜ遅れたか;この国のかたち―タブーなき議論で再確定を;富山=北欧論争―「日本土着の改革」の可能性;閉じこもる言論―固定ファン頼み、こぼれる声;外国人との共存―ずさんで不透明な壁が阻む ほか)
2 時評 2011‐2016(被災地と向き合って―欠落した知恵と勇気;「無難」な報道機関、必要か;世界の解雇規制―ルールに透ける「社会」;揺らぐ政治秩序―20世紀の常識、不適合;連立与党の公明党―政界適応で招いた危機 ほか)

著者等紹介

小熊英二[オグマエイジ]
1962年生まれ。歴史社会学者。慶應義塾大学総合政策学部教授。東京大学農学部卒業後、出版社勤務を経て、東京大学大学院博士課程修了。2011~15年度、朝日新聞論壇委員を務め、16~18年度、同紙論壇時評を担当した。著書に『単一民族神話の起源』(サントリー学芸賞)、『“民主”と“愛国”』(大佛次郎論壇賞、毎日出版文化賞)、『社会を変えるには』(新書大賞)、『生きて帰ってきた男』(小林秀雄賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

118
最近この方の本をいくつか読んでいるのですが、保守的な人間の私にとっても非常に理解しやすく当たり前のことを言っている気がします。朝日新聞に書かれた時評を2011年から2019年まで二つに分けてまとめておられます。最近の時評というものは世の中の傾向だけを先取りしてきめ細かな分析をしていないものが多い中、この方は地方の細かいことなど(新聞記者の協力もあるのでしょうが)よく調べておられると感じました。2019/12/06

rico

98
朝日新聞に掲載された時評をまとめた1冊。予想もしなかった1年が終わろうとしていた12月に、1か月かけて少しづつ読む。2019年から順番に2011年まで遡る構成。10年かけてだんだん色々なものが壊れていくプロセスを、逆回しで見ているよう。最後の章は、震災と原発事故がつきつけた東京と東北の分断。「復興」という名の公共事業が、さらにそれを促進する皮肉。2020年、再び訪れた未曽有の危機は、衰亡への道を加速させるだけなのか、転換点になるのか。楽観的になるのは難しい。2020/12/31

佐島楓

76
日本社会を取り巻く圧倒的な閉塞感、手詰まり感の正体を多方面から分析している。私は2、30代の若者から変わらねばいけないという危機感を持った。政治に無関心なのも極端に内向きなのも、大半はこの世代であり、社会に絶望しているのもまたそうなのだろう。既得権益層が退場し、若者世代が社会の中核を担うようになったとき、日本はどうなっていくのか、という根強い恐怖が生まれてならない。二極化が進み、基本的には他人に無関心な社会になっていくのだろうか。2019/04/29

やいっち

66
無駄な(採算性の見通しの立てづらい)公共(乃至準じる)事業ばかりが続く。原発(再稼働を含め)、リニア新幹線(今更必要か?)、催事後使い途の分からない東京オリンピック関連施設(1964だったら夢が見られたが)、大阪万博(今どき万博か?)、カジノ関連施設(ヤクザな連中が蔓延るだけ)、福島原発復興事業の数々の愚策(20数兆円の公共事業費の1%ほども被災者支援救済に使われない。潤うのは中央の土木関連会社)、普天間飛行場の危険除去を名目の →2019/12/21

とくけんちょ

56
時評集として、テーマごとにコンパクトにまとまっており、文章の構成として勉強になる。なぜそう思うか、どうすべきなのかを曖昧な形で終わらせず、よりデータや誰かの知見をもとに具体的に表わそうとしている。立場ある人の話でありがちなのは、考え方とプロセスと結論がうまく流れているようで、微妙に直結しておらず、誤魔化していることがよくある。そういう部分で小熊さんはそれらを限りなく、直結しようとしており、誠実な印象を受ける。今作も同じ。2019/06/04

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