角川ホラー文庫<br> 夜波の鳴く夏

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角川ホラー文庫
夜波の鳴く夏

  • 著者名:堀井拓馬
  • 価格 ¥682(本体¥620)
  • KADOKAWA(2014/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041004487

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内容説明

大正の世、名無しのぬっぺほふことおいらは財閥家の令嬢コバト姫に飼われ、純愛を捧げていた。だが、コバトが義理の兄・秋信と関係を持っていることを知ってしまい、おいらは観る人を不幸にする絵「夜波」を使って秋信を抹殺しようと決める。夜波の画家ナルセ紳互を妖怪たちが集う無得市に引き込み、ようやく絵を手に入れるが、なぜか想定外の人物にも渡ってしまい……。若き鬼才が奔放な想像力で描く衝撃×禁断の妖奇譚!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

81
ぷよぷよのでろでろ、いい匂いのする「ぬっぺほふ」。ぬっぺほふに舐め続けられると「人間飴」となる。人を不幸にする絵「夜波」は人の目を離さず、次第に狂気の世界に導き惨劇を招く。そしてまるで「夜市」のような妖怪たちに「無得市」。奇抜な設定だが、その世界にどんどん引き込まれ、次第に「あたしのかあいいお肉ちゃん」の虜となる。エログロ場面もあり、なかなかいける。万人向きではないが、私もぬっぺほふを「むちゃむちゃ」してみたい。2018/07/09

Bugsy Malone

75
名もないぬっぺほふの一人称での絶妙な語りの一章から二章、一転、日記形式で執着と狂気と身勝手な心を、そそられて止まないエログロな表現で描いた第三章、嗜虐と被虐の愉悦を身体の奥から感じてしまう第四章、そして名無しの「かあいいお肉ちゃん」の一途な恋慕を描いた最終章。前作「なまづま」での考え抜かれた文章力にも驚かされたが、今作もまた著者の感性と構成力に驚かされた。各章のタイトルもまた良い。面白い、全く面白い。2020/08/30

アッシュ姉

73
読み慣れた好みの世界観にオリジナル要素が加わって、ぞわぞわずりずり面白かった。妖怪たちが集う「無得市」は夜市のような妖しい雰囲気。ぬっぺほふに舐められ続けた「人間飴」、人を不幸にする絵「夜波」が引き起こす愛憎劇は目を背けたいのに見入ってしまう。不快感と快感の配分が巧く、エログロ加減もちょうどいい。ユーモラスで憎めない妖怪ぬっぺほふ、高慢で残忍で愛らしい乙女たちなど、キャラクター造形も魅力的。2018/02/16

カナン

67
実に角川ホラーらしい仕上がり。時は大正、畏怖の対象から愛玩するものへと変化した妖怪ぬっぺほふ。醜い肉塊を愛でる麗しく傲慢なご令嬢、その令嬢と肉体関係を持つ義兄、彼に懸想する気狂いの女学生、夜波と名付けた黒い絵を描き続ける画家、令嬢に惹かれたあまりに呪われたその絵を使って義兄を殺そうとする異形の主人公。ぐるぐると巡る執着と暴力と性愛。どろどろに爛れた精神の蹂躙。えげつないのに何処か間抜けで、苦笑するほど滑稽であるのに描写は残虐極まりない。恒川光太郎の「夜市」の空気から優しく温かいものを一切取り省いた世界観。2017/07/27

じゅんぢ

41
帯に純愛劇って書いてあるけどこれって純愛なのか?もはや純愛ってなんなのか分からなくなってしまった。2018/01/18

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