光文社古典新訳文庫<br> 道徳形而上学の基礎づけ

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光文社古典新訳文庫
道徳形而上学の基礎づけ

  • 著者名:カント/中山元
  • 価格 ¥1,111(本体¥1,010)
  • 光文社(2013/12発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334752521

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内容説明

「君は、みずからの人格と他のすべての人格のうちに存在する人間性を、いつでも、同時に目的として使用しなければならず、いかなる場合にもたんに手段として使用してはならない」。多くの実例をあげて善と悪、義務、人格、自由と道徳性について考察し、経験的な根拠に依拠しない純粋な道徳の原理を探求。きわめて現代的であり、いまこそ読まれるべき書。詳細な解説付きのスタイルで完全読解へ導く“中山カント”第3弾!

目次

第1章 道徳にかんする普通の理性認識から、哲学的な理性認識へと進む道程
第2章 通俗的な道徳哲学から道徳形而上学へと進む道程(道徳性の最高原理としての意志の自律 道徳性のすべての偽りの原理の源泉としての意志の他律 他律を根本的な概念とした場合に生まれうる道徳性のすべての可能な原理の分類)
第3章 道徳の形而上学から純粋な実践理性の批判へと進む道程(自由の概念は、意志の自律を説明するための“鍵”となる 自由は、すべての理性的な存在者の意志の特性として、前提されなければならない 道徳性のさまざまな理念にともなう関心について 定言命法はどのようにして可能になるか あらゆる実践哲学の究極の限界 結論としての注)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Major

70
 大学2年時に一字一句疎かにせずに、教徒のように一気に読み上げた思い出がある。それから、おそらく優に100回以上は読みこんでいるはずである。僕にとっては、「批判的(創造的)に考えること」の基礎づけを与えてくれた生涯の一冊である。第一章冒頭の『我々の住む世界においてはもとより、およそこの世界の外で、無制限に善と見なされ得るものは、善意志の他にはまったく考えることができない。』という1文をもって、あたかもそれが宿命の出会いだったかのように、そのカント哲学の磁場に僕の意志と心は引き付けられた。(コメントへ続く)2020/06/02

かわうそ

48
カントの根底にある神の被造物たる有機的な存在者は『自然の意図のために』その器官を利用しなければならないという論理を抑えながらを読むことが大切だと思いました。それは彼の『世界市民という視点からみた普遍史の理念』で展開されている議論です。 『権利のための闘争』とこの本は非常に関連性が強い本ですが引き寄せられたのか同時に買いました(イェーリングはカントのこの論文に影響を受けていることを自身の著書で最初に告白している)その影響はカントが『善い意志』のみが善を形作ると語っていることからも分かります。2023/03/29

Major

46
今現代哲学を読込んでいるが、読めば読めば読むほどカント哲学にその源泉があり、カント哲学に立ち戻らねばならないと考えている。カント哲学もまた(現代思想ではない)現代哲学から新たな枠組みで捉えられ、僕の思索にも新たな道筋がぼんやりと見えてきたところである。-もう一度、この時期に論考を整理し直してみたいと思う。この場でこれを綴るのは、レビューという意味合いもあるので、僕の拙い論考を読まれた方が少しでもカント哲学に興味をもたれ、哲学談義仲間になっていただければ幸いに思う(という、野心を持ちながら綴ることにする)2020/06/02

ころこ

40
道徳形而上学はアプリオリな総合判断と同じくらいアクロバティックな議論で、道徳に超越論を持って来たいという人間の欲望の在り様を考える上で、一度は考えてみる必要のある議論だとは思います。この問題は、道徳形而上学が道徳の実践に論点があるのではなく、不可能性への挑戦だというように読み替えられるところにあるのではないのでしょうか。カントの不可能性である物自体が現実界と同義だということからも精神分析的な世界とも整合的にみえます。神の啓示のように定言命法を繰り出すカントは、あたかも従業員の超自我に訴えるパワハラ経営者的2022/03/29

Major

39
【再読レビュ③】デカルトは思惟実体としての人間について、理性の役割を議論している。そのことを通して、先に述べた延長実体としての人間が単なる機械ではないことを論じる。理性の役割として、デカルトは一つに言葉・合図の使用を挙げている。それはデカルトに寄れば「私どもが思うところを伝えあうため」と説明される。思うところを伝え合うとは、我々人間の間だけのことであろうから、思惟実体としての人間を、そもそも相互依存の関係に立っている存在として、デカルトは捉えているようである。2020/06/03

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