昨日の蒼空、明日の銀翼

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昨日の蒼空、明日の銀翼

  • ISBN:9784062838108

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内容説明

茨城県に住む高校生・相沢考樹は外出先で突然意識を失い、目を覚ますと太平洋戦争末期の日本海軍で戦闘機パイロットになっていた。とまどい、抗いつつもゼロ戦乗りとして成長していく考樹。しかし戦況の悪化が、考樹ら若者たちを生きてもどることのできない特攻隊へと駆り立てる……。考樹は、現代で生きる幼なじみ・菜々美と再会することはできるのか? 第11回講談社BOX新人賞Powers受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

流言

37
戦時中へのタイムトリップものとして現代と戦時中が交互に描かれるスタイルで広義の異世界転移モノとして読める一方、特攻兵として死ねなかった考樹は帰還した側の現代でも馴染むことができずに懊悩するという、どちらの世界でも部外者として浮いてしまうという構図が面白かった。クオリティは高いと思うのだが、バランスを重視してフラットに描こうとした分、後半の展開もどうにも盛り上がりきれない形にまとまってしまったのだろうか。あらすじも冒頭で考樹が帰還するシーンから始まるのに『再会することはできるのか?』は流石にいかがなものか。2016/01/06

ひめありす@灯れ松明の火

31
いや、この本は銀箱から引っ張り出して、ちゃんと硬い装丁をしてハードカバーにして、全国中学生読書感想文コンクールの課題図書にでもした方がいいと思う。よくぞこのレーベルで出した、と言いたくなるとびっきり道徳的なジュブナイル小説でした。空を舞い、散った青年達が何を思って、何を感じながら死んでいったのか、何が幸福で、どんな結末を受け入れたのか。それを私たちがどう受け止めて、歴史にはどのように表記されているのか。あの日を死なずに帰ってきた。今も生きている。それを話すお年寄りの顔を見る、私の心が変わってるのを感じます2012/09/05

9
良かったと思います!現代の若者が戦時中へタイムスリップし、予科練出身の特攻隊員として戦争を生きるテーマ。コーキが戦争から現代に帰ってきてのシーンでは自分のことしか考えない平成の高校生と戦争を経験した自分との考え方の対比、逆に海軍にいる時の昭和の若者たちの愛国、自己犠牲の精神とそれを狂っていると感じる平成の自分。わかりやすく書かれていると思います。このぐらい偏りのない作品で、特攻隊のことも広く知れ渡ってほしいです。白浜さんカッコイイです☆2014/06/02

CCC

7
題材の重さに負けないくらい話はしっかりしてるけど、ラノベ的な香りは残ってて、それでいてあまり軽さを感じないという絶妙なバランス。少しズレればただのいい話、あるいはひたすらメッセージが詰め込まれたような話になりそうなのに、匙加減が上手い。全方位に勧められる内容。2012/12/10

ぶーにゃん@積ん読本解消中

6
よくこの題材をこのレーベルで出したことにまず感嘆しました。タイムスリップにより現代の高校生が旧海軍の予科練生に転移し特攻を目前に現代に帰還する。戦中の軍隊生活と現代の高校生活におけるギャップはまさに一人で背負うには重たい運命です。戦場で17歳がタバコとヒロポン(覚醒剤)が許可されていた感覚と特攻隊員の死生観と現代人として特攻隊へ志願する様子には緊迫感がありました。彼等の死を無駄死にと授業した老教師に食ってかかる主人公の気持ちが今年もきた8.15を過ぎて少しだけわかるような気がしました。2012/09/03

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