内容説明
世界史の中での「昭和時代」の歴史を、政治・経済面だけでなく、思想・生活・文化面にも視野を広げて描いた、昭和史の決定版。上巻は、日本が大正デモクラシーで民主化を実現した後、第二次世界大戦に自ら突入して焦土となるまで、下巻は急速な復興と経済成長を果たし、「武装を好まぬ経済大国」となった1989年までを描く。未来を考えるうえでも示唆に富んだ歴史が語られている。第20回大佛次郎賞受賞作。
目次
第5章 占領・民主化・復興(占領の開始 戦後の政治と社会 戦後復興と占領政策の転換 朝鮮戦争とサンフランシスコ調印)
第6章 「もはや戦後ではない」(吉田内閣の倒壊 一九五〇年代前半の経済と社会 一九五五年体制の成立 第二党としての社会党 高度成長の出発 所得倍増)
第7章 成長を通じての変貌(池田内閣後期 佐藤の政治 日常化した成長 成長への反抗 ナショナリズムの変容と復活 高度成長の終焉)
第8章 「大国化」と「国際化」(世界のなかの日本 自民党の内紛 石油危機後の経済過程 第二次石油危機と財政再建 石油危機以後の社会 プラザ合意以後 戦後史をふりかえって)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
太田青磁
14
占領からの復興、高度経済成長、沖縄変換、オイルショック、プラザ合意、西側陣営としてポスト冷戦における極東外交が描かれる下巻。自民党派閥争いの中、国鉄民営化が成功事例として紹介されているのが興味深い。ソビエト、中国、台湾、北朝鮮、韓国の近隣諸外国から日本がどのように見えていたのかが知りたくなります。2013/09/03
たびねこ
9
上・下で900頁近い大部だが、苦にならない。とりわけ大戦前から敗戦後への変転の背景が詳しい。坂口安吾の「堕落論」での言葉、「人間が変わったのではない。人間は元来そういうものであり、変わったのは世相の上皮だけのことだ」は言い得て妙。現代にも通じる。政治の時代から経済の時代へ、「富国強兵」から「強兵なき富国」への移り変わりがよくわかる。筆者の堅実な筆致も好感が持てた。2019/09/29
ミヤト
6
前半に比べるとやや駆け足気味だったように思われる。全体の流れを追うにはちょうどよく、複雑でわかりにくい昭和を紐解けた。引用や図表が多かったので、当時の様子に対しての解像度が上げることができた。次は明治時代を追いたい。2022/08/08
Hiroshi
4
現代史の下巻。③~⑥の戦後から昭和の終わり、平成元年の消費税導入までの本。降伏後に平穏に武装解除がなされたのは、皇族らが天皇の命を受けて海外各地に出向いて詔勅と命令を伝えたことが大きかった。戦争の前途に対して暗い予感を抱いていた一般国民が、これで救われたと感じたことも、敗戦心理を平穏に進めた。マッカーサーが来て、人間宣言が出され、公職追放が行われ、新憲法が制定されて、新しい世になった。戦後は何度もインフレに見舞われた。復興には信用創造が必要だからだ。昭和21年の前期が一番の食糧不足で、配給は殆ど無かった。2017/07/05
kokoberu
3
上巻同様面白い。下巻ならではの特色でいうと、作者の個人的な体験談がたまにはさみこまれているところ。学生に封建的だと言われた話や、電電公社の対応の酷さ、昭和天皇崩御に関するエピソードなど、何か時代の匂いのようなものを感じさせてくれる気がする。2015/01/04
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