内容説明
ローラは実父の死の謎を解くため、シドニーを訪れた。画家だった父が彼女に遺したのは、たった1枚の絵。落日を背景に、苦悩に満ちた表情を浮かべる美女が描かれている。ある日、その絵を途方もない高値で買いたいという男が現れた。ダイアモンド鉱山を所有する若き億万長者、ジャレッドだ。父の形見は売れないと断るローラに、彼は驚くべき申し出をした。“この絵といつも一緒にいたいなら、ぼくの妻になればいい”と。彼に惹かれたことは認めたくないが、絵の謎が解けるかもしれない。結婚を承諾したローラは、挙式当日、衝撃の事実を目の当たりにする。式場に現れたジャレッドの母ナオミは、絵の中の美女、その人だったのだ!■長くハーレクイン・ファンに愛されるベテラン作家エマ・ダーシー。当時の編集者が“一級品の面白さ”とメモを残した91年の名作です。描かれていたのは、ナオミを巡り争った男たちの愛と憎しみ。なんとローラの父には、ジャレッドの父殺害の嫌疑がかけられていて……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
akiyuki_1717
2
実父の存在を遺産を受け取ったことで知ったヒロインが、印象的な絵の意味と、生前の父を知るために展覧会に出品し、ヒーローと出会い、互いに名前しか知らないままに結婚するという、突飛なおはなしです。ミステリーっぽいんだけど、謎は解けないままに終わり、確執の濃かったヒロインとその母は30年近く確執が続いたにも関わらず、ヒーローの瀕死の怪我がきっかけで雪解けを見るという、どこまでもめでたしな内容です。互いにビビビっと感じた二人ですが、思ったより険悪にもならず、予想以上にいい感じで読み終えた。2015/01/21