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内容説明
平時でも「リーダーシップがない」と言われる日本のトップが、重大な「国家の危機」に直面した際、どんな決断をし、どんな指導力を発揮したのか。東日本大震災での菅直人首相の初動が内外から批判を浴びたが、歴代のトップたちは想定外の事態に陥った際、なぜかもたつき、危機対応への感度が鈍いと評価されている。11の「国難」を、大震災(東日本大震災、関東大震災、阪神・淡路大震災)、経済危機(ニクソン・ショック、第一次石油危機、97年金融危機)、非常事態(60年安保騒動、ダッカ・ハイジャック事件、大韓航空機撃墜事件、アメリカ同時多発テロ事件、地下鉄サリン事件)の3つに分け、その時々の最高権力者が、危機に際してどのように舵取りしたのかを追いながら、首相の資質、政府・官邸の危機対応を問い直す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ceskepivo
2
現代政治史のおさらいの本。「国家の危機」は、その場面に遭遇した政権担当者の裸の姿を照らしだすという。阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件に遭遇した村山首相は、自分の経験不足を自覚し、部下に対して「全面委任型」のリーダーで、責任はすべて首相が負うという形を貫いた。結果的には、この「全面委任型」が日本人の気質に一番会っているということか。警察庁長官狙撃事件で、「旅券失効は無理」とした河野について、野中が「「自民総裁は河野では無理」と考えるようになったエピソードは興味深い。2013/01/21
湘南☆浪漫【Rain Maker】
1
何が正しいか、または最善かを瞬時に判断、決断してリーダーシップを発揮していくか。 重い仕事…。 2018/01/31
KG
1
12.12.24 やや駆け足で読了。11の危機の中で積極即応型で成功したのは、たった2つ(83大韓航空機墜落の中曽根と同時多発テロの小泉)。やはりこのふたりですね。★42012/12/24
Teo
1
どう見ても菅の所は弁護しすぎだと思う。首相の器でない人間が首相に座っている時に未曾有の大災害となったのは恐らく近代日本史上最大の悲劇だった。勿論、その下地はそれまでの政府が作ったものではあるが、一番首相としてあるまじき事をした。それに比して村山は自分の出来ない事をちゃんと自覚していただけでもずっと上だ。橋本・佐藤は自分を過信して禍根を残した。2012/07/22