内容説明
「世界中でひとりメシなんて、気が重い」。昔からひとりの外食が苦手。なのに、ひとりで世界一周の旅に出てしまった。勇気を出して扉を開けた、不健康なインドのバー、握り寿司をおかずに出すスペインの和食屋、マレーシアの笑わない薬膳鍋屋……。店員に声をかけるタイミングを気にしながら、びくびく味わう姿が笑いを誘う孤独のグルメ紀行。
目次
「インドのマクドナルド」デリー(インド)
「ネパール版餃子の落とし穴」カトマンズ(ネパール)
「不健康な香りのするインドのバー」ムンバイ(インド)
「ベジタリアンの機内食」(デリー→ヘルシンキ)
「テントカフェの揚げパン朝食」ヘルシンキ(フィンランド)
「知らない街の立ち飲み屋に入ってはみたけれど」ブリュッセル(ベルギー)
「美人の多い街のじゃがいも料理」ビリニュス(リトアニア)
「黒人の子供たちに囲まれて食らふ西アフリカの朝食」ワガドゥグ(ブルキナファソ)
「外国人が握る寿司」マドリッド(スペイン)
「芝居前にペルー産ワインを一杯」リマ(ペルー)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
河瀬瑞穂@トマト教司祭枢機卿@MMM団団長
41
「飯を喰うことが愉しいと思うやつばかりじゃないぞ」的エッセイ。だからといって喰わないわけにもいかないのですから、さてどうする?を書き綴った一冊。視点としてすごく興味深かったです。とはいえ、私も人見知り激しいほうですので共感できる感覚も多く。気まぐれに手に取った本でしたが、当りでした。2014/05/17
penguin-blue
39
いろいろな国を訪れて「食べもの」というゆるいくくりで書いたエッセイ集。作者自身あまり飲めない人らしくいわゆる酒の上での失敗や酩酊などがなくやや物足りなかった「飲み」がテーマの前作よりも、今回の方が好きかも。「ここに来たらこれを食べねば」というところから入らず、その街で出会った「食」を店のたたずまいだったり、お店の人の対応だったり、他の客の様子だったりを織り交ぜて綴っている。海外でひとりでご飯を食べる時の高揚感と居心地の悪さが共存する感じがよく出ている。プノンペンのシジミはちょっと食べたくないなあ。2017/12/03
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
22
ひとりでレストランに入るのが苦手な作者が、世界一周旅行で苦労しながら地元の食堂やファストフードに入った体験記。2017/10/05
mr.lupin
22
読み終えた後、長~いひとり旅を終えたような気分です。ひとり旅をしてそしてひとりメシを食べて、色んな国の素のままの姿を垣間見る事ができました。それと、料理の写真もあるので雰囲気良く伝わります。こんな本、結構好きです(笑)☆☆☆☆★2014/08/17
Hira S
20
辺見庸のもの食う人々が食を通じて社会や現地の人たちを描いた作品であるのに対して、世界一周ひとりメシは場所選び〜注文までの悩みや葛藤など内面を描いた内容。表紙の顔が濃い!さぞかしタフな性格なんだろうと思いながら読んでいると後半で好奇心が摩耗しホテルに篭りがちになる(笑)中国で麻婆豆腐を食べて復活していく流れが面白い。まずはお昼に1人で近場のエスニックに行ってみようかなぁ。2020/07/14