角川文庫<br> 氷点(下)

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角川文庫
氷点(下)

  • 著者名:三浦綾子
  • 価格 ¥682(本体¥620)
  • KADOKAWA(2014/12発売)
  • 5/5はこどもの日!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 180pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041003398

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内容説明

海難事故で出会った宣教師の行為に心打たれた辻口は、キリスト教に惹かれていく。しかし夏枝を許せず、陽子への愛情も生まれない。夏枝は陽子に気づかれないように冷たい仕打ちを続けている。兄・徹は陽子に愛情をそそぐが、思いを自制するために友人・北原に陽子を紹介した。北原と陽子は心通わせるが、夏枝は複雑な嫉妬心から、2人に陽子の出生の秘密をぶちまけてしまう。人間の愛と罪と赦しに真正面から向き合う不朽の名作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

310
息が声が時間さえも動きを止めた!『待て~!』と叫びたいのに喉も身体も動かない!そんなぁ・・お願い、時間を巻き戻して❗憎しみと復讐、世間体と葛藤、猜疑心と屈辱が綯交ぜとなる危うい砂上の楼閣辻口家。唯一、純真さの結晶たる陽子は自身が貰われ子と知っても、冷たくされても清く強く明るく生き抜くと誓う!純真で脆いけど、優しさと覚悟の美しき化身、陽子の健気さに何の罪があろうか。原罪?わからんでもない!が、今とこれからだろ、大事なのは!過去、しかも自分が生まれる前の罪を?自分を其々登場人物に反映した。我はいかにす⁉️🙇2019/09/07

🅼🆈½ ユニス™

178
“申し分のないように見える家族が一皮むくと卑劣で嫉妬深く醜い” 辻口家を通して、誰もが心の隅にある"氷点"を引き出して見せた。しかし、氷点を溶かせる熱いものも我々人間の心に在る事も伝えた。作品の中で '人間は生まれながらにして罪を背負っている' と言う基督教の '原罪' 即ち、アダムが禁断の果実を食べた瞬間から人類に受け継がれた原罪を陽子父娘に喩えて、陽子は殺人犯の娘として生きなければならない運命に置いた。人間はどこまで他人を愛し、許せるか?という倫理的なテーマを節制且つ完璧に捉えた見事な大作❗️★5❗️2018/10/06

mukimi

144
息つく隙なく読み終え、読後は暫し頭を抱えるほどの衝撃が。ほんの少しだけと人を裏切ること、人のせいにすること、本心を口に出せず勝手に自分で作ったストーリーで自らを納得させること、負の感情に踏み込まず何も無かったことにすること、大人はそんな小さな歪みを積み重ねて生きる。真っ直ぐなだけでは生きられないから。でもそこに、許すこと、信じることの力を突き付けるクリスチャンである筆者。高度なエンタメ性の背後にある筆者の壮絶な過去、深い信念と強い意思を思うと頭が上がらない。続編がある様なので頭を冷やしてから取りかかろう。2023/01/21

ゴンゾウ@新潮部

114
再読だが衝撃的な結末を憶えていなかった。出生の秘密を知り今まで自分を支えていた心の拠り所を失い生命を絶とうとした陽子。罪を憎んで人を憎まず、自らの罪深さに打ちのめされた陽子の遺書は読むのが辛かった。最後の高木医師の言葉が心に残った。原罪とは何かを問うた作品。2016/04/05

ナマアタタカイカタタタキキ

113
人間の業というものについて思わずにはいられない。時折激しい感情の発露はあれども、全体の印象としては内省的で、長い夜明けを彷彿させる物語だった。或いは、夜は明けてなどいなければ誰も助かってもいない、陽子の生命は救われても魂は凍てついたままだと考えるべきか。今となってはその陽子の直向きささえ、単なる潔癖にすぎず、場合によっては不遜かもしれなかった…とは、10代の健気な少女に対して厳しすぎる言葉だろう。善でもって悪に立ち向かう際、己の罪の可能性を省みることは不可欠だ。その時に必要なものこそが“信仰”ではないか。2021/05/05

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