文春文庫<br> 無理 〈上〉

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文春文庫
無理 〈上〉

  • 著者名:奥田英朗
  • 価格 ¥800(本体¥728)
  • 文藝春秋(2015/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167711054

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内容説明

「あのとき以来、自分はどこか投げやりだ。心から笑ったことは一度としてない。それどころか不意に思い出しては、惨めさと悔しさに打ち震えている」。合併で生まれた地方都市・ゆめので、鬱屈を抱えながら暮らす5人の男女。人間不信の地方公務員、東京にあこがれる女子高生、暴走族あがりのセールスマン、新興宗教にすがる中年女性、もっと大きな仕事がしたい市会議員……。縁もゆかりもなかった5人の人生が、ひょんなことから交錯し、思いもよらない事態を引き起こす。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

527
物語の舞台は、東北地方にある何の取柄もない(少なくても登場人物たちにとっては)新興の町ゆめの市。主な登場人物は5人。市役所の福祉課職員、東京を夢見る女子高校生、元暴走族の詐欺まがいセールスマン、警備会社の派遣社員の中年女性、自民党に属する土建議員。5人はゆめの市に暮らすという以外には何の接点もない。そして、物語は上巻の終わりにいたるも互いに交点を結ぶことはない。読者は、ただただ倦怠に満ちたゆめの市の輪郭を知り、いつしかそこに埋没してゆくのである。下巻では、5人が絡み合い、物語はうねりを見せるのだろうか。 2019/04/05

ehirano1

205
下巻突入前に別の視点で再読。ストーリー展開から数十歩下がって眺めてみると、5人の人生転落へのサインは何も特別ではなく、我々現実世界においても普通に起こっていると感じました。ただ、そのサインをサインと捉える(=気付く)ことができるかどうかが転落するかしないかを決めるように思えてなりません。そういう意味では、著者はケーススタディの材料を読者に提供していると思います。2016/07/09

おしゃべりメガネ

203
上下巻ですが、そのボリュームはまったく気にならない作品でした。冒頭から最後まで、特に下巻に入ってからはまさしくノンストップ状態で読了してしまいます。あらゆる登場人物の目線で物語は展開され、最後の最後で・・・とはいつもの奥田さんパターンですが、正直今回は話ネタを広げ過ぎて、最後は若干無理やり納めにかかった感があるかなと感じました。しかし、そこが不満かと言われれば決してそうではなく、テンポの良さ、飽きさせない展開は流石の一言に尽きます。タイトルの意味は読んだ方、それぞれで捉え方に変化があるかもしれません。2012/09/26

青葉麒麟

178
鬱々した雪空って嫌。本当に気が滅入る(>_<)沢山の登場人物がちょっとずつリンクして行くのは読んでてワクワクする。皆、不幸だらけだけどもっとこれから堕ちて行くのが楽しみです。2014/05/19

テンちゃん

140
無理!o(>_<)o『このギリギリに追い詰められた混乱した社会のシステムの中で、ギリギリの無理な生活を強いられた人たち!』『無理から生まれるもの』⇨『無理な仕事!生活!』『どこまでも不幸に堕ちていく人たち!』⇨5人の男女o(>_<)o女子高生!地方公務員!セールスマン!新興宗教にすがる中年女性!市議会議員!⇨『仕事のストレス!人間不信!詐欺!万引き!生活保護!汚職だらけ政治家!』(`ロ´)不幸の連鎖!不正!無関心!諦め!⇨『世の中に無理を強いられ追い詰められる!』傑作作品。☆(๑•̀ㅂ•́)و✧4.82015/12/18

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