内容説明
プロ野球<スターズ>の同期、真田誠と樋口孝明。その野球人生は常に対照的だった。ドラフト2位で即戦力と期待された樋口はついにレギュラーを奪えず、真田はドラフト5位から球界を代表するスター選手へとのし上がる。そして今季、球界最年長・40歳の二人に引き際が訪れた。二軍監督要請という形で引退勧告を受けた樋口に対し、真田はシーズン半ばで突然引退会見を行う。ところが引退宣言以降の登板で真田は連勝、低迷していたチームも優勝争いにからむ快進撃を始めた。シーズン終盤、正捕手の負傷で一軍に昇格した樋口が、17年ぶりに真田とバッテリーを組む日が到来して……。予想外に展開する引退ドラマを濃密に描く感動作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
紫綺
136
単行本にて読了。プロの選手たちの心情の機微が鋭く描かれていて、来シーズンから野球観戦がさらに楽しくなりそうだ。2015/11/25
ユザキ部長
103
苦悩や葛藤、ジレンマや予定不調和といった微妙な心理描写が抜群に上手い堂場スポーツ小説コレクション。流石です!主役二人の配球は手に汗にぎる。18年の選手生活、40歳という年齢ではじめて知った世界が眩しくヒリヒリします。2016/03/30
ちょこまーぶる
88
やっぱりスポーツ小説は感動します。男2人が若かったばかりに自分の感情をただ相手に投影し、お互いの気持ちを確かめずに離れていた長い年月をこの物語の終盤では少しずつ距離が短くなっていく2人・・・読んでて温かい気持ちにもなりましたし、これから2人が監督とコーチという指導をする2軍のチームのこれからの闘いと過去の自分たちのような若い選手たちにどのような声をかけていくのかが気になってしょうがない。 2012/08/12
Rin
87
同期で入ったのにまったく別の道、立場に立つことになった男たち。スポーツ選手でも企業にとっては商品に違いなくて。選手として活躍すること、チームを運営すること。野球に関わる人の多さや利益についてもしっかりと描かれている。選手として一つの岐路に立った男たちのラストダンス。前半は二人の男それぞれの視点で迷いや想が伝わってくる。後半に始まるラストダンスにはハラハラドキドキが止まらない。選手間の駆け引きに声にならない二人のやり取りが楽しい。もっと続いて欲しいと思いながらも爽やかな気持ちで読み終えることが出来ました。2016/06/26
kotetsupatapata
72
星★★★☆☆ 『ザ・ウォール』で登場した樋口監督の現役時代のストーリー。 堂場さんのスポーツ小説お馴染みの“こんな事いくらなんでも現実にはありえへんやろ!”というラストはあえて突っ込まず、同期であり奇しくも同じ年に引退することとなった一軍半選手の樋口と、スター街道まっしぐらだった真田の光と陰や二人の緊張感、さらにスタジアムの臨場感が、あたかもその場にいるような感情が合わさり充実の読後感。 でも野球のルール知らない人が読むとどういう感想なんだろう?2022/07/07




