内容説明
人間も、傷のあるリンゴのようにちょっと欠けたところのあるほうが…
常識の裏側を見抜く、エッセイの名手による、妙味あふれる書き下ろしエッセイ集。
目次
1 ヒマなほど忙しい(ヒマなほど忙しい 塞いだカマド ひとりでは多すぎる ほか)
2 傷のあるリンゴ(傷のあるリンゴ 腹ふくるるわざ 愚人礼賛 ほか)
3 不幸は好運のもと(不幸は好運のもと 心眼のくもり 多足のワラジ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
りんご
38
完全にタイトル読みです。登録1500冊目。エッセイ、自己啓発などは著者のことを好きでないとあんまり響かないことが多いですが、なるほどと思う文章もあり、儲けた気分です。子供と親の関係について言及してるところは気持ちが入っちゃうね、大人に近づいていく子供たちにどう接するのが正解なのか(多少は)悩んでおります。さみしい。あとは「見る目を育てよう」とか「おしゃべりもエクササイズ」とか、逆に「しゃべらずに胸の内で育てよ」とか。私の傷はあれか?それともあれか?2022/12/25
凛
24
大学で道徳や倫理観の講義を受けたかのような錯覚を受けた一冊。タイトルの『傷のあるリンゴ』が実際に美味しい話、人間もまた不幸や失敗などの傷が足りない人生は恐れる事であるという記述がとにかく深く、少し今までの自分の傷すら意味はあったのかもなと思えた。またひとを見る目は、苦労や失敗に育てられるという話も個人的には印象的で、なかなかこんな悟った考えを教えてもらう機会はないので、良い読書体験でした。2025/10/22
KSK871
7
本書を読むにあたって立てた問いは「傷のあるリンゴは傷んでいるのか、それとも熟れているのか?」◆読みながら思ったのは、傷は欠点ではなく“甘みを蓄えている証”なのではないかという点だった.ここでいう傷とは、失敗や遠回り、忙しさや苦労のこと.順風満帆も素晴らしいけれど、適切に苦労し、挑戦を重ねる時間の中でこそ人は熟し、人間性や人間味が培われるのかもしれない.◆成功も失敗も一度手放し、また次へ向かう.夢中になり、ときに黙って自分と向き合う.見た目は少し不格好でも、内側に深みを持つ人でありたいと思えた一冊。2026/02/23
1.3manen
7
恩師佐藤先生は、「地球はリンゴ=地球とするなら、皮の部分が生物圏」とのたとえ話をして下さった。その地球に傷があるのは、多くの場合、人類の責任である。他の動植物は絶滅危惧種になってしまっているケースすらある。「本当の力がなければ、たちまち遅れる。(略)スタートでレースを占うのは誤っている」(25頁)。傷のあるリンゴはうまいという(62頁)。モノに傷があるなら、ヒトなら病気もちともいえるかも。欠点のあるのが人間だ。欠点は開き直るケースもある。しかし、開き直ることが欠点ならその欠点は直すべきだろう。容易でない。2013/03/09
文麿
4
Kindle Unlimited。傷ついたリンゴの方が甘いそうだ。糖度が高くなるらしい。人間も同じで、なんのストレスもなく順風満帆で育つより、一度挫折を味わった方がそれをバネに努力を続けられ、後年名を成す人もいる。失敗を悔やみ続けるよりも早めに次の一歩を踏み出せ、という本。2024/06/07




