ハンセン病者の生活史 隔離経験を生きるということ

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ハンセン病者の生活史 隔離経験を生きるということ

  • 著者名:坂田勝彦
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 青弓社(2014/03発売)
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  • ISBN:9784787233394

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内容説明

「恐ろしい伝染病」という誤ったイメージとともに、療養所に隔離されることを余儀なくされたハンセン病者。彼らは戦後社会のなかでどのようにして実存を模索し、療養所の内外の他者との関係性を編み上げてきたのか。多磨全生園の入所者の声を丹念に聞き取り、さまざまな日常の営みからそのリアリティーに迫る。

目次

序 章 ハンセン病療養所で生きるという経験をめぐって
 1 全生園というフィールド――ハンセン病療養所の過去と現在
 2 ハンセン病問題とは何か――既存研究のアプローチから
 3 隔離を生きる経験への社会学的接近――日常的実践と共同性
 4 調査の概要と本書の構成

第1章 隔離を構成する機制と実践――戦前期の全生園の日常から
 1 「全生村」という呼称の奥行きをめぐって
 2 病者を取り巻く近代の機制
 3 構造的制約を異化する実践

第2章 〈社会復帰〉という実践――ハンセン病療養所退所者の経験から
 1 ハンセン病療養所における「戦後の変化」とは何か?
 2 〈社会復帰〉という実践をめぐって
 3 希望と困難
 4 〈社会復帰〉経験の深層へ――ある退所経験者の軌跡から
 5 複数の関係性と自己を生きる

第3章 自己の確認をめぐる攻防――ハンセン病療養所にとどまった人々の「戦後」経験
 1 もう一つの「戦後」
 2 「転換期」を生きる――ある「職工」の生活史にみる生業と自己
 3 さまざまな葛藤のなかで
 4 実存の模索――ある「職工」の生業に対する語りから
 5 人生を物語ることの意味

第4章 療養所の内外へと広がる社会的世界――「ふるさとの森」作りの取り組みから
 1 迫り来る死を前にして
 2 戦後日本の社会変動と全生園入所者のリアリティー
 3 解体する療養所の在り方――全生園での「作業」「自治」の崩壊
 4 「ふるさとの森」作りの取り組み――緑化活動とその意味
 5 「ふるさとの森」の現在が提示するもの

第5章 「終わり」と向き合う――全生園入所者による歴史記述の諸実践から
 1 全生園入所者による歴史記述をめぐって
 2 「終わり」と向き合う――ハンセン病療養所入所者の一九七〇年代
 3 過去の想起と共同性

終 章 〈想い〉の地形学――ハンセン病問題の過去・現在・未来
 1 全生園北部の一角から現前する共同性
 2 〈共生〉への試論

あとがき