中公文庫<br> 叙情と闘争 辻井喬+堤清二回顧録

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中公文庫
叙情と闘争 辻井喬+堤清二回顧録

  • 著者名:辻井喬【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 中央公論新社(2012/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122056411

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内容説明

元セゾングループ代表にして、詩人・作家。反発していた父のもと実業界に入った若き著者は、二つの名前を往来しながら、大衆社会の幕開けと経済躍進の立役者として時代の渦中を進んでゆく。マッカーサー、吉田茂、本田宗一郎、三島由紀夫など、政治家、財界人から芸術家までの幅広い交遊エピソードとともに、戦後の諸相を描く貴重な半生記。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

28
回顧録。無印良品、セゾン(仏語で四季)とは古臭くなく親しみのわく言葉で見事だと思う。英語のフォーシーズンズがすでにホテルで取られていたための措置だが詩人ならではと感じる。異母兄弟の堤義明の記述はない。父の亡くなった後、政治家になれという話もあったらしいが文筆家の方が性に合っていると思う。数々現れる著名な方々との交流や昭和史を知れる。2018/07/14

さきん

24
共産主義に愛着を抱きながらも、敵である資本家の中心的存在であり続けることの矛盾を作家として面で慰めている感があった。やがて経営者として資本主義社会にどっぷりつかり、共産主義の理想とする社会の綻びも海外訪問等で目の当たりするようになってからは、文化的な方向へ関心は移ろっていく。2021/02/13

筑紫の國造

11
著者はセゾングループ代表を務めたこともあり、西武鉄道で有名な堤康次郎の子息。と同時に、詩人・作家でもある堤清二(辻井喬)。この人の詩も小説も未読だが、これは面白かった。父が経営者であると同時に政治家でもあること、そして自身も大企業の経営者兼文学者であることから、交友の範囲はかなり幅広い。佐藤栄作、池田勇人などの政治家だけでなく、本田宗一郎や井深大などの経済人、安部公房や三島由紀夫。私的な出来事が公的な出来事にもつながり、また全分野的な戦後史の見取り図にもなっている。特異な環境と本人の性質が成せる技だろう。2017/12/06

makimakimasa

8
自伝小説『彷徨と季節の中で』と同様に読み辛い文体だが、巨大ファミリー企業の跡継ぎ経営者かつ元共産党員の作家という、2つの名を持つ二面性は興味深い。楯の会の軍資金集めに財界人紹介した際の「精神性を大事にする人の世界と、毎日を実利の世界に生きている人との、音信不通と言ってもいい断絶」、かつての理想郷ソ連に出張を重ねる度に湧いてくる疑問、義弟率いる西武鉄道とコクドの企業文化への嫌悪感…。無印良品を作った人だったのは初めて知った。ビジネスシーン等の心境を当時発表した詩と併せて時折自己解説するのが鼻に付いた。2021/09/11

さとむ

7
複雑な家庭環境や家族の死に苦悩しながら、独自の信念のもとセゾングループを構築していく過程を興味深く読んだ。作家として三島由紀夫など文化人と、経営者として財界人や政治家と交流する様子も面白かった。幅広い見識がセゾンカード、無印良品、リブロなど先進的な会社・サービスにつながったことがよくわかる。新しいことを提案すると、必ず社内で反対の声が起きたとのこと。そこを乗り越える大切さを思った。2014/01/31

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