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内容説明
国全体で6割の食料と、大量の肥料を輸入し、その後食料の3割近くを廃棄する国、日本。一方でほとんどを海外に依存している化学肥料は、すでに入手困難が指摘されるものもあり、国際関係の動向にも大きく左右される。膨大な無駄と深刻な危機を乗り越えるのは、生ゴミや家畜糞をきちんと発酵させ、有機質肥料として活用する社会だ。さらに「有機農業」の危険性にも注意を払いつつ、自ら循環型農業に取り組む農業コンサルタントが語る。
目次
第1章 化学肥料・農薬の本当の問題(化学肥料による土の「作り方」 なぜ有機質肥料ではなく化学肥料が選ばれるのか ほか)<br/>第2章 なぜ野菜は美味しくなくなったのか―発酵の話(牛糞と豚糞と鶏糞の違い 牛糞、鶏糞を活用する ほか)<br/>第3章 有機質肥料で土を作り、野菜を育てる(物理特性を上げる 塩基置換容量―肥料の器の大きさ ほか)<br/>第4章 循環型社会を目指して(窒素、リン酸、カリウムで溢れかえっている国日本 循環ネットワークの構築―メリットがないと人は動かない ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マルレラ
13
日本人は膨大な量の化学肥料や食料を海外から輸入している。現状として、食料は約3割がそのまま廃棄され、化学肥料は農地に惜しみなく使用し、土壌のバランスを破壊している。筆者はこの問題を解決するために、余った食べ物や家畜の糞尿から作られる有機質肥料を用いた、環境に優しい「循環型社会の構築」を目指す。 近年話題のSDGsと関連がありそうだと思い、手に取って読んでみました。これからの時代は、本書で紹介されているような循環型農業への取り組みを社会全体が理解し、協力して行っていく必要があると感じました。2021/10/31
大先生
10
生ゴミや堆肥を利用した有機質肥料による循環社会の構築を提言している本です。【現在の日本の農業は、化学肥料と農薬を使用することがほとんど。だけど、化学肥料はほぼ輸入、農薬は生態系を破壊という点にそれぞれ問題あり。そこで、残飯や家畜糞尿を有機質肥料にして日本国内で循環させられる社会を目指そう】と。是非実現させてほしいところですが、有機農法のデメリット(手間ひまがかかる等)をどう解決するかがポイントですね!
くろっこ
4
とても興味のあった内容だったので、図書館で見つけて直ぐに手に取りました。 とても共感できる内容で、高校生でまだまだ無知な私にも分かりやすく書いてありました。 堆肥そのもののこと、農業のこと、そして循環型社会のこと。今まさに日本が直面している食糧、環境、農業の課題に大きく関わる部分だと思います。 著者の山田さんの発想は、すごく柔軟だなと思いました。2021/01/21
うさこ
4
レポートにまとめていたので時間がかかっちゃった。人間の体も土も同じで、栄養の摂り方は腹8分目に。過多になると病気になっちゃうよってことがいえますね。もし、自分が野菜を作る立場になったら、植物と対話ができるような生活がしたい。そのためにも今がっつり仕事しなくては・・・2012/08/12
しま
1
私は漠然と循環型社会という考え方に興味を持っていた。著者は食品残さや家畜糞尿を活用した循環型農業をすることで循環型社会の実現を目指している。このような主張をする方は他にもおられるが、本書では理想だけでなく化学肥料や農薬の問題点を理論的に述べ、そこから持続可能な農業経営について言及している。文章自体もわかりやすく読みやすかった。2016/08/04




