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内容説明
ポジティブに物事を考えることが、ブームのようにもてはやされている。しかし、「無理にプラス思考にならなくてはと思う必要はまったくない!」「マイナス思考の人のほうが、仕事をうまく進められる」「ネガティブな自分に自信を持とう」というのが本書の主張だ。著者自身、自らを「日本一のマイナス思考人間」と語り、「小さなことにもくよくよする」「次から次と心配事が見つかるくらいがちょうどいい」「五分五分のことは、悪いほうになる」といった考え方で仕事をしてきたという。そのおかげで、経理・財務の第一線で活躍して、「伝説の経理マン」と呼ばれるほどになった。本書は、仕事におけるマイナス思考の重要性を、ユニークなエピソードとともに解説する。「マイナス思考の自分が嫌いだ」「マイナス思考を変えたい」と思っている人、「ポジティブシンキングを超えたい」という人、必読!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gatsby
15
この本を買って帰った日に珍しく嫁が本を読んでいたので、何を読んでいるのか確かめると、なんと金児氏の本だった。彼女は図書館でよく借りるが私は必ず本を買って読む。すごい偶然というのがあるものだ。ポジティブ思考の良さが専ら説かれる世の中にあって、マイナス思考の本は珍しい。どちらかというと私はこちらに近い。世の中がみんなポジティブ思考になってしまうのも、リスクヘッジという点ではよくない。何人かはひねくれた見方をする奴も必要なんだろう。しかし、責任ある立場で仕事をすると、自然とマイナス思考になる部分はあるのだと思う2012/05/28
Naota_t
4
★3.2/著者は元・信越化学工業顧問の金児昭(2013年没)。「昭和のおじさん」的なサラリーマン思考が目立ったが、「どんなに頑張っても必ず間違う」「逆らうことにメリットはない」「世の中の大半ができない人」など、参考になる・共感する部分も多くあった。金児氏の思想は、経理マン的だとも言えるし、『絶対悲観主義』(楠木建)に通じるところもあった。ネガティブになり過ぎても(その逆にプライドを高く持っても)、良いことは何もない。中庸であること、へこたれてもすぐに立ち直る(忘れる)ことが私の経験から得た信条でもある。2023/04/19
Kentaro
4
もちろん仕事は出来ないよりできた方が良いに決まっています。しかし、実際は仕事ができると言われる人は、一握りであって、私を含めて多くの人はできない人なのです。 特に仕事をしていく上では、自分にはできないことがあると分かることが重要なのです。 できる人を見て真似をしていても、結局は無理が出て身体を壊す原因にもなります。 できることを探すスタンスで望むことで、無理ではなく能力を尖らせる思考もあるのです。 ここでいうマイナス思考は、物事のスタート地点をマイナスに持っていき、リスクを回避しながら、成功する手法です。2018/04/23
mo5mo
1
図書館の返却棚で目に留まった本。ポジティブ思考が求められるなか、自分にはぴったりの本だった。積極的に心配事を探す。背伸びをすると、結局できない。勉強するときは、薄い本を選ぶ。基本を何度も繰り返す。襟首をつかんで振り回すくらい、専門家を使いまくる。不安になったら、すぐ手を打つ。2015/03/19
salon_du_nord
1
人間なんでも自分の周りの物事がうまく流れてる時はわりとなんでもポジティブに、一方でなかなかうまく行かないときはなんでもかんでもネガティブに考えがちだと思うけど、多くの啓発本にあるように、常に無理になんでも肯定的に考える必要も無いんじゃないかと思わせてくれる。 後は、ネガティブなのは良いけど(とこの本を読む限り思うのだけど)、かといってノイローゼにならない程度にうまくガス抜きの方法を見つけること、重要だと思う。2012/06/03