内容説明
ホームズに始まりホームズに帰るといわれ、名探偵の代名詞ともなったシャーロック・ホームズ。本書は、世紀末のロンドンに繰り広げられるそのホームズの痛快無類の冒険の魅力を伝えた第一短篇集である。名作の誉れ高い「ボヘミア国王の醜聞」「赤毛連盟」「まだらの紐」等12篇を収める新訳決定版!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
metoo
57
【洋子さんの本棚】より。「いいかい、ワトソン、きざにきこえるかもしれないが、ぼくにとっては、依頼人の身分よりも、仕事が面白いかどうかが重要なんだ」これを大きく紙に書いてクシャクシャと丸めて上司のおでこにブツケタイ。著者が大学医学部在学中に出会った、奇抜な比喩をまじえてユーモラスに講義をし、患者を観察するときに披露する独特の推理を行う教授がホームズのモデル。洒脱で洗練されていて理論的に推理を重ねるホームズが、第1話の「ボヘミア国王の醜聞」の美女アイリーンに惜敗した時に見せた悔しがりっぷりのなんと魅力的なこと2017/05/02
ジャムうどん@アカウント移動してごはんになります
19
名作と言われるだけあった。伝説の名探偵ホームズ。世間ではなんだかもう、推理小説を超えた存在になりつつある。個人的には、赤毛の話が好き。2015/02/14
黒猫
16
個人的にはホームズは短編の方が好きだな。特に『ボヘミアの醜聞』と『赤毛連盟』はお気に入り。『ボヘミアの醜聞』ではかのアイリーン・アドラーが出てきて、珍しくホームズが裏をかかれるところは見所。また《観察》と《見る》ことの違いで入り口にある階段が何段かワトソンに問うシーン。そこではホームズが普段から意識して(もしかしたら無意識になってるかもしれない)周りを観察してる一面を垣間見ることが出来る。わたしもワトソンと同じく、自分の家の前の階段が何段かなんて答えられない。《観察》ではなく《見てる》ということだな。2014/05/21
ぽま
15
何度も読み通しているが全く倦まないのは、物語自体に不快さを催すような展開や描写がないからか。良い意味でプロットにアクがないが、キャラクターの個性という点では他のいかなる探偵の追随を許さない。絶妙なバランスが素晴らしい。/このハヤカワ版では、各短編の冒頭にパジェットのイラストと本文からの一文が抜粋されており、作品の雰囲気が出ていて良い。ただ、他の出版のものと比べると、ページの角に各短編のタイトルが印刷されていないため、装丁上の読みづらさは感じた。文体は新潮版や創元版ほど堅くなく、取っつきやすい。2012/12/11
カノコ
14
たまには古典を。素直に面白かった。謎と真相の繋がりに無駄がなくて素晴らしい。依頼人から持ち込まれる謎に、ワトスンと同じように好奇心に胸を踊らせて、とても楽しい読書だった。やっぱり名作は名作なんだなと実感。タイトルだけは聞いたことがある有名な話をたくさん読めて、教養が増えた気がする。「赤毛連盟」「唇のねじれた男」がやはり美しかった。2015/11/22
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