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内容説明
「人事」という言葉から、ネガティブなイメージを抱く人も多いのではないだろうか。それは、多くの日本企業が「過去」を見る「継続性のマネジメント」に縛られ、人事がその先頭に立っているからだ。いま求められるのは、「現在」を見る「戦略性のマネジメント」である。長年、人事部門を歩んできた「人事のプロ」と組織行動研究の第一人者が、会社が「勝つ」ために必要な考え方を経営の観点から綴った、稀有な一冊。
目次
第1章 人事は何のためにあるのか(「人事マフィア神話」が生まれる理由 人事部は官僚化する ほか)<br/>第2章 組織の力を最大限に高める(「勝ちの定義」が明確な会社 戦略はシンプルに ほか)<br/>第3章 改革の旗を振る(「いい子ちゃん人事」 部長みたいになりたくありません ほか)<br/>第4章 リーダーを育てる(なぜリーダーを育てるのか なぜCEOは四五歳なのか ほか)<br/>第5章 「強くて、よい会社」を人事がつくる(二一世紀の企業像 人事プロフェッショナルの役割と資質 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またおやぢ
18
再読。『人間ほど生産性が飛躍的に向上する経営資源はない』とは至言。人事とは、その組織に属する人々が最大限の能力を発揮できる環境や仕組みを整え、人々のモチベーションを喚起し、組織の生産性を向上させる事にある。故に、何らかの施策を実施する折には「目的(意義や意図)」と「目標(数値)」をワンセットにし「会社に何をもたらしているか」を念頭にいれて語ることが出来なければ、人事の存在意義はない。組織を組成する”ふつうの人々”を駆り立て、惹きつけ、貢献してもらい、その貢献に報いる事を愚直に実行する意義を再認識する一冊。2016/06/27
Gatsby
11
金井先生の本はよく読むが、この本ではあくまで主役は八木氏である。サブタイトルに「制度で縛るな、ストーリーを語れ」とあるが、八木氏の優れている点は、まさにストーリーを語れる点だ。この本で最終的に言いたいことは、「強くて、よい」会社を作ることであり、そのためには組織の評価の基準すなわち組織の掲げる理念や理想を組織内の人に徹底しなければならない。そのためにストーリーを語らねばならないということ。長期的展望を持ちつつ、短期的に勝つための戦略を考えること、結果とプロセスの両方から評価する仕組みづくり、大切なことだ。2012/05/27
たこ焼き
9
人が実感として裏打ちされた言葉を発するとき、その言葉に魔術が生まれる。何か不満があったら全面的にサポートすべし。社内、社外のサイレントマジョリティーの声をいかに拾い上げるか。業績の良し悪しは目立つ、ある一部門によって左右されるものではないので、業績の良し悪しが「私は関係ない」と言う意識になってはならない。責任者は監督なのだから、上司へ不公平だと不満を述べてはならない。雰囲気に飲まれないような工夫が必要である。2021/05/09
T2y@
8
“ジャッジ(審判)とコーチを同時にやるのは難しい事だが、その難しさを受け入れながら、ラインマネージャー、人事は評価の仕事に当たらなければならない。” GE出身の筆者:八木氏の言葉は、どれも重く、実務で活きるメッセージ。 あるべき人事戦略の考え方から辿る、マネージメントとリーダーシップに気付けたのは大きい。 “リーダーシップは、部下に対してだけでなく、上司に対しても発揮しなくてはならない。” “チェンジを起こすなら、賛成する人を増やすより、反対する人を減らせ。”2013/07/19
はちこう
7
もう10年前の新書ながら、今読んでも古さは感じない。個人的には、むしろ今読んで良かったという感じ。少なくとも本書は、人事に関するハウツー本ではない。人事に携わる者の資質や目指すべき姿勢について、著者の経験を元に、たくさんの珠玉のメッセージが込められている。各章最後の、金井先生の解説がまた良い。金井先生の本は過去にも何冊か読んでいるが、改めて再読してみたくなった。2022/02/09