内容説明
さまざまな品種が混在するぶどう畑を見て、漢字とかなが入り混じる日本語を思い起こし、世界中で翻訳される村上春樹やカズオ・イシグロの文体に、グローバル化時代のワインの味を思う。古今東西の文学がワインの味わいに光をあて、ワインの秘密が文学の謎を解き明かす。人気翻訳家による、ユニークでスリリングなエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フム
22
図書館本。鴻巣さんの文芸評論が好きなので手に取ったものの。読み始めたら、ワインと文学をからめた評論とのこと。タイトル、なるほどそういうことだったのか。もっぱらノンアル派の私には全く未知の世界だった。人文学だけではなく、ワインの知識もこれほどとは、ますます尊敬、憧れてしまう。そして、読み終わってみると、またもや知らなかった世界がそこに開かれて新たな知識欲が湧いてくるから不思議だ。「私にとって、ワインは翻訳と同じで世の中を見るための窓にすらなっている。」自分はどんな窓を通して世の中を見ているのだろう。2025/05/21
猫のゆり
8
正直ワインにはあまり興味がなかった。まえがきで「ワインと文学は双子のように似ている」とあって、最初は飲み物と読むもので全然違うだろー、と突っ込みつつ読んでいたのだが、読むほどになるほど、と頷かせられた。小説も読み終えて終わりというわけでなく、よい小説は記憶の中で熟成されて更に芳醇な香りを放っていく・・。最後の、日本の新しいワインの造り手をたどっていく旅も、とても心に残った。否が応でもワインが飲みたくなる。極上のワインを。2012/06/04
ハルト
7
翻訳とワインの重なる部分。醸し出されるハーモニー。ワインについても翻訳についても、とても興味深く読みました。「すべての翻訳は誤訳である」とか、「自分にはよくわからない異質なものだからこそ翻訳する意味がある」という日本の翻訳者の姿勢だとか、「良し悪しや巧拙の基準も、時と場合によって移り変わっていく」など、なるほどなあとうなずいたり。もう少しワインについての知識があったら、もっと深く芳醇な味わいを堪能できたんだろうになあと残念。おいしいワインと料理が欲しくなりました。2012/06/07
EnJoeToh
3
良かった。2012/04/30
メイロング
2
ハードな文学論にプロの翻訳論、さらにワインの造詣が求められて、完走するのがやっと。別に難しい言葉で難しいことを論じているわけじゃなくて、ところどころ手の引っかかる場所があるのが憎い。ワインについてはどこの星の言葉?2013/01/19
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