角川ソフィア文庫<br> 私の沖縄戦記 前田高地・六十年目の証言

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角川ソフィア文庫
私の沖縄戦記 前田高地・六十年目の証言

  • 著者名:外間守善
  • 価格 ¥638(本体¥580)
  • KADOKAWA(2014/11発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
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  • ISBN:9784044058043

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内容説明

沖縄学の第一人者による壮絶な戦争体験記。外間青年の目を通した語り口ながら、一個人の体験に留まらず、戦後明らかにされてきた多くの資料を織り交ぜ構成。巻末には著者同様、沖縄初年兵だった人々の体験記も収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kawa

30
沖縄師範学校生による沖縄戦の体験を描いた「沖縄健児隊」(1953年刊)既読の後、書店をのぞき歩いていたら編著者の一人の外間守善氏(言語・沖縄学者)の本書を発見で早速購入。前著から60年、沖縄戦のなかでも屈指の激戦・前田高地の戦い(米名・ハクソー・リッジ)の全貌とその詳細が知れる価値高い一冊。後書きでは本書の方が戦いの生々しさはあると記されるが、読み手としては「沖縄健児隊」の方が優る印象。時の経過の中で、その戦いの悲惨さと全貌が理解できる歴史的価値に本書の意義があるように思う。2025/04/13

Miyoshi Hirotaka

20
サイパンの次は台湾か沖縄。住民疎開、部隊編成、学生の動員や招集が始まった。精鋭部隊の台湾への移駐、米潜水艦による疎開船對馬丸の撃沈、ひめゆり部隊の結成など後に失策や悲劇とされた伏線がここで発生。前田高地は東西南北に展望が利く防衛の第一線。この一部となる断崖絶壁が映画『ハクソー・リッジ』の舞台。戦闘は4月末から約一週間。狭小な戦場は日米双方が接近戦と白兵戦を展開する修羅場となった。師範学校の学生だった著者は志願し、沖縄戦開始時には初年兵で戦闘に参加。実名で記載される同級生や同僚の証言が生々しく当時を語る。2025/01/24

二人娘の父

7
沖縄学の第一人者で沖縄の歌謡集「おもろさうし」などの研究で知られる外間守善氏の従軍記録。激戦で有名な前田高地を主とする記録。私が映画「ハクソーリッジ」でその名を知ったのが前田高地。実はあまりよく分からずに何度か足を運んでいた。現在は公園で展望台もあり、たしかに沖縄本島全体を一望できる。従軍戦史はその階級が下になればなるほど当時の本音が現れていてリアル。絶望的戦況のなかで公然と命令に背く様子も。米軍側の記録も収録されており、外間氏の編集方針があらわれているように思う。沖縄を知るためには必読である。2021/04/08

こぺたろう

7
映画ハクソーリッジのCMを見て前田高地の存在を初めて知り、関心を持ったところ、本書に行き着いた。沖縄戦が始まる前から守備隊の体制は迷走しているし、何より物量差がありすぎる。他の戦場同様、武器と食糧が早々と尽き、奪いながら戦うというのは想像を絶する。なお、ハクソーリッジのモデルになったデズモンド看護兵の話も、第4章で紹介されていました。2017/07/01

あや

6
沖縄ご出身で沖縄地上戦をご経験されのちに沖縄文学者になり法政大学や國學院大学でお教えになられた外間守善さんの貴重な沖縄戦の手記。弾丸が足に当たり止血するものがなく土を刷り込んで止血したなどの描写。疎開するご兄妹との別離。戦争なんてむごいだけで誰も幸せになれない。私も法政大学で外間先生に言語学を教わったけど先生のご生前にこの本を読めば良かったと後悔している。この本は本当に多くの方に読まれてほしい。沖縄戦の悲惨さがよくわかるので。2020/03/15

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